SJ★Ever Lasting…１１★

切れない電話 ページ30

携帯の着信音に、夢から呼び戻された。

ｲﾄｩｸ『A、起しちゃった?』

電話の向こうに気付かれないように、あくびを噛み殺す。

A『・・ううん。私も電話しようと思ってたから』

ｲﾄｩｸ『今日は、宿舎に帰ってきたんだよ。Aいないし、リョウクがいなくて、イェソンが寂しそうだったから』

A『ジョンス、リョウクのベッドで寝るの?』

ｲﾄｩｸ『いや、自分の部屋だよ。同じ家に誰かいるってだけで、安心するみたい』

A『リョウクがいなくて寂しいなんて・・イェソンかわいいなぁ』

私が笑ったら、

ｲﾄｩｸ『僕だってAがいなくて寂しいんだけどなぁ』

ちょっと拗ねたような声。

A『私も寂しかったけど、ドンヘのおかげでもう大丈夫』

ｲﾄｩｸ『・・・ドンヘ?まさか同じ部屋にいるとか言わないよね・・』

あぁ・・・さっきまでいたけど・・・。

A『教えてくれたの。このネックレス、ジョンスがデザインしてくれたんでしょ?ありがとう』

ｲﾄｩｸ『あー・・聞いちゃった?もう、おしゃべりだなぁ・・』

なんかちょっと恥ずかしそうな声に、きゅんとなる。

A『これつけてると、ジョンスが傍にいるみたい』

ｲﾄｩｸ『うん。そうだといいなって思って、デザインしたんだ』

顔は見えないけど、分かる。

今、優しい顔で笑ってる。

頭に浮かぶ彼の笑顔だけで、こんなに幸せになれるなんて。

A『・・私だけ寂しくないなんて、なんかごめんね・・』

あのパジャマ、1人で着たら寂しさ倍増だよね。

ｲﾄｩｸ『Aが寂しくないなら、僕も安心できるから、それでいいよ』

なんでこの人はこんなに、自分を後回しにしてしまうんだろう。

私といても、メンバーといても、スタッフといても、E.L.Fといても、いつだって周りの幸せが最優先。

それを本当に心から願える優しさは、何よりも大きな強さだと思う。

“一緒になるってこと”

そう言ってくれたこと、改めて考えると嬉しくてドキドキする。

A『もう。ドキドキさせないでよ』

ｲﾄｩｸ『え?なんで?僕何か言った?』

A『なんでもなーい』

ｲﾄｩｸ『なんだよー』

A『大好きってこと』

ｲﾄｩｸ『・・僕も好きだよ』

この人の傍に、本当に一生いられたら・・・いいのに。

恋しくて、会いたくて、なかなか電話が切れない、この時間がいとしい。

破壊力→←半径0cm

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