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その言葉を聞いてこくりと頷いた母は涙を拭いながら部屋を出ていく。
二人きりになったところで、久しぶりに坊っちゃまの顔を見上げた。
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『あの、坊っちゃま…その髪の毛どうしたんですか?』
「
『なるほど。……って、何でそんな恨めしそうにこっちを見てるんですか』
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ずっと気になっていた黒髪の件をきくと、あっさりと外しながら説明してくれた。
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解決してスッキリしていると、こちらをみている坊っちゃまの目に少し恨みが含まれている気がしてなんだかたじろぐ。
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「……私に何か言うことないですか?」
『……え? 言うこと?』
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そりゃあ、話したいことも聞きたいこともたくさんあるけれど、坊っちゃまがどれのことを言っているのか分からなくて黙りこむ。
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そんな私の様子を見て彼はため息を吐いたかと思うと、言葉を続けた。
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「………帰ってきたとき、あなたがいなくなっていた私の気持ち、考えたことありますか?」
『……』
「………姫宮に行ったと聞いたとき、心臓が止まるかと思った」
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もちろん、私だって考えなかったわけがない。
でも、こんな苦しそうな顔をしてくれているだなんて…思ってもみなかった。
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久しぶりにみる、その瞳をじっと見つめていると、なんだか吸い込まれそうな気分になる。
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何秒か見つめあったあと、彼は私の腕を掴み、優しく抱き寄せた。
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「会いたかった…」
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ゆずは(プロフ) - ごんすけさん» えーーー!!そんなこと言ってくださるなんて…嬉しすぎます!ありがとうございます( ; ; )更新頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします!!!! (2022年10月13日 23時) (レス) @page33 id: a915559bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 尊いです好きですありがとうございます……(早口)本っ当に最高です……毎度毎度 泣きそうなくらいの尊みで息の根が止まります…(愛)作者様も作品も大好きです…泣 (2022年10月13日 13時) (レス) @page33 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ルナ(自称天才☆)さん» コメントありがとうございます!若干辛い展開かもしれないですが、最後はハッピーエンドなので楽しみにしておいて下さい〜!更新頑張ります! (2022年9月8日 13時) (レス) id: a915559bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(自称天才☆)(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品とても素敵だと思います。この後の展開が待ち遠しいです!ぜひ更新頑張ってください、待ってます! (2022年9月8日 0時) (レス) @page17 id: 2c52dd1a0d (このIDを非表示/違反報告)
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