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「……これって、司様とAちゃん?」
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勉強もひと段落したころ、葵様が棚に飾られた写真を指さしそう言う。
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その写真に写っているのは、ケーキに刺さったロウソクを吹き消している坊っちゃまとそれをニコニコとみている私。
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これは、坊っちゃまにお仕えするようになって初めての誕生日に撮った写真だ。
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『そうです。このケーキ、私も作るの手伝ったんですよ』
「つまみ食い係の間違いじゃないですか?」
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ドヤ顔で言う私にそう指摘してくる坊っちゃまを軽く睨むも、生クリームやイチゴをつまみ食いしてたのは事実で何も言い返せない。
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…朱桜家のパティシエが作るクリームは美味しいんだもの、仕方ない。
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「ふふっ、小さい頃から仲良しだったんだ〜」
『仲良しというか、……喧嘩ばっかりして母に怒られてましたけど』
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小学生の頃、喧嘩しては母に怒られていたことを思い出しため息をこぼす。
メイドとしての母は本当に厳しくて、辞めてしまいたいと思ったことは何度も。
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それでも坊っちゃまの専属メイドを続けてきた理由は、…やっぱりーーー。
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「もしもし、……はーい。わかった」
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そんな考えごとをしていたら、電話の着信音が鳴る。
葵様の携帯だったようだ。
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「じゃ、お迎えが来たみたいだからもう行くね!今日は楽しかったよ〜!2人ともありがと!」
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葵様はそういってお得意のウインクをし、軽快な足取りで部屋からでていく。
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部屋着になってしまったとはいえ、お見送りをしようと席をたった私の腕を坊っちゃまが引いた。
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「Aさんはここにいてください」
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ゆずは(プロフ) - ごんすけさん» えーーー!!そんなこと言ってくださるなんて…嬉しすぎます!ありがとうございます( ; ; )更新頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします!!!! (2022年10月13日 23時) (レス) @page33 id: a915559bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 尊いです好きですありがとうございます……(早口)本っ当に最高です……毎度毎度 泣きそうなくらいの尊みで息の根が止まります…(愛)作者様も作品も大好きです…泣 (2022年10月13日 13時) (レス) @page33 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ルナ(自称天才☆)さん» コメントありがとうございます!若干辛い展開かもしれないですが、最後はハッピーエンドなので楽しみにしておいて下さい〜!更新頑張ります! (2022年9月8日 13時) (レス) id: a915559bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(自称天才☆)(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品とても素敵だと思います。この後の展開が待ち遠しいです!ぜひ更新頑張ってください、待ってます! (2022年9月8日 0時) (レス) @page17 id: 2c52dd1a0d (このIDを非表示/違反報告)
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