虎杖悠仁の幼馴染【呪術廻戦】

参拾玖　 ページ43

「身長と尻がデカイ女がタイプです」


いや急に何の話だよ、と思いつつも、Aは夜蛾学長に挨拶した時の自分と虎杖のことを思い出していた。
ほぼ同じ事やってるわ…というか悠仁とタイプ一緒なんだな。ちょっと親近感。


「なんで初対面のアンタと女の趣味を話さないといけないんですか」

「そうよ、ムッツリにはハードル高いわよ」

『でも私も聞きたい』

「オマエら黙ってろ」


ただでさえ意味分かんねー状況が余計ややこしくなる、と言う伏黒。ごめんてば。でも気になるじゃん。


「京都三年東堂葵。自己紹介終わり。答えろ伏黒、どんな女がタイプだ」

「別に好みとかありませんよ。その人に揺るがない人間性があればそれ以上は何も求めません」

「悪くない答えね。巨乳好きとかぬかしたら私が殺してたわ」

「うるせえ」

「退屈だよ、伏黒」


『恵！！』
「伏黒！」


何の前触れもなく伏黒は殴られた。


「あーあ、伏黒君かわいそう」

「似てるって思ったけど全然だわ。真希さんの方が百倍美人。寝不足か？毛穴開いてんぞ」

「口の利き方教えてあげる」


Aは殴られた伏黒に駆け寄った。釘崎は真依先輩を煽って捕まってしまう。煽りが鋭すぎたようだ。
東堂と伏黒には明らかな体格差があり、近接に持ち込まれたら確実にまずいことになるのは目に見えていた。


『東堂先輩！落ち着きましょ！』

「A、お前は下がってろ」



　"鵺"＋"蝦蟇" 「不知井底」



そう言って術式を発動する伏黒。即座に東堂に後ろを取られて持ち上げられ、ジャーマンスープレックスをかけられる。


「薄っぺらいんだよ。体も女の好みも」


頭から血を流す伏黒は立ち上がるも、壁に打ち付けられて投げられる。2人の戦いに手を出せない。割って入ったところで、足手まといでしかない。私はまた大切な人を守れないのか。そう思った時。



"「動くな」"



はじめて聞いた狗巻棘のおにぎりの具以外の言葉。呪言の意味がはっきり分かった。動きが止まった東堂をパンダがすかさず殴る。その隙に急いで伏黒のところへ行き、治癒を施す。"満月草"と頭の中で反芻しながら掌に呪力を込めた。


「お前っ、いつの間に」

『喋らないで』


近接訓練に取り組みながら、呪力の扱い方も研究してきた。そのおかげで植物の治癒能力を呪力で生成できるようになった。とはいえまだこれしかできないけれど。

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補足:術式については解説２に詳細を載せます。

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