へいたくしー【不死川実弥】

緊急 ページ32

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　季節はまだ残暑が続く、9月。志望大学も決めて面倒臭いと思いながらもそれなりに毎日の勉強時間は増えていき、模試の判定も"C"まで上げた。
　苦手な数学を伸ばせばかなり成績は上がり、自分の勉強があるにも関わらず数学を教えてくれるさねみんには感謝しかない。流石私のお母ちゃん。
　そんなこんなで9月のとある日曜日。目覚まし4個かけて無理やり起き、午前中から図書館で勉強しようと出掛けた私。
　しかし図書館は思いの外、人が沢山居て自習スペースに空きがなかった。このままカフェに行って勉強しても良かったのだが金銭面も考えて自宅に帰って勉強しようと思ったのだった。
　そう、此処までは当たり障りのないごく普通の日常だったのだ。



　────────家に、帰るまでは。



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｢ただいま〜、図書館人多過ぎたから家で勉強するね〜、アオイも一緒にやらな……｣

　リビングの扉を開けて、いつも通り。いつも通りアオイはキッチンで料理をしているか、部屋で掃除機をかけているか、リビングで勉強してるいるか。


｢え！？お姉ちゃん夕方まで帰らないんじゃ…！｣
｢誰だお前！！｣



だ れ だ お ま え




｢…………失礼しました｣



　ガチャンッ！！！と思いっきりドアを閉めて私はそのまま玄関に直行し、家を出た。それはもう全速力。珍しいったりゃありゃしない。
　え、彼氏？アオイが？男連れてた？いやいやそんな不純な行為はしてなかったけども。中学生らしく超健全に一緒に勉強してましたけども。
　けども？アオイが男の子と一緒に勉強？勉強？study？please？YEAH？what？？
　待て待て待て落ち着くんだ神崎A。よく見たらアレ女の子じゃね？めちゃくちゃ綺麗な顔してたしアレ女の子じゃね？ちょっと声帯ミスった女の子じゃね？きっとそうだようん。
　え、でもアオイ、"夕方まで帰らないんじゃ…！"とか言ってたよな。え、女の子友達だったら普通私に紹介くらいしてくれるよね。ん？あれ？んん？まさかの？彼…？いや断じて認めんぞ。
　家の近くの某コーヒーチェーン店付近で私はすぐにスマホを取り出しLI〇Eを起動する。


｢アオイを護らねば…！｣


緊急事態発生、至急学校近くのス〇バ集合
さねみん急にどうした?
家 帰宅 妹 男 美人 声帯 バグ 走馬灯
さねみんその説明で分かる奴居ねェよ馬鹿野郎
さねみん待っとけ、すぐ行くから



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