頭痛 ページ30
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目が覚めると、手は拘束されていて動けず自分の身体は壁に固定されていた。頭がクラクラしていて頭痛が止まない。変な薬品を嗅がされたのか今までの光景が一気にフラッシュバックして気分が悪かった。
一旦状況を把握しろ。自身の失態を反省するのはその後だ。私は冷静さを取り戻し静かに周りを見渡した。暗闇の中目を必死に凝らすもののこれと言って今いる場所を特定できるものはなかった。
場所がわからないなら潔く次の行程へ移る。自分自身の状況だ。腕は背中に縄か何かで縛られており、壁に固定されていた。無闇に動くと体力が消費されそうだ。幸い足は何も拘束されておらず半分自由の身だった。此処を抜け出すのは不可能ではないが無闇に音を立てて相手に勘づかれても面倒だ。
とりあえず何故私がこんな所に連れ込まれたのかを考えるとしよう。そう思って目を閉じた瞬間、真っ暗だった辺りが私に目掛けて一つの光が集まった。懐中電灯だ。
「気がついたか、黒鬼」
ドス黒い声が私の耳に響き渡る。声の主を探るも相手がわからない。昔の知り合いかと思ったがそういう訳でもなかった。では一体何の為に私を拉致ったのか。懐中電灯の先を見る事ができず目を霞ませているが段々とこの光に慣れてきてすぐに今いる場所を把握する。
多分此処は倉庫だ。しかもかなり古い。そして今私と話している目の前の男は多分攘夷志士。私の事を黒鬼と呼んでいる時点で確定だ。厄介事に巻き込まれてしまった。何故野郎が私の正体を知っているのかはひとまず置いといて、この状況は非常にまずい。
とにかく今の私が出来る事は相手を知る事。当たり障りのない口調で、相手に敵意を悟られないように私は思い口を開いた。
「…此処はどこですか」
すると相手の男は余裕そうな表情のまま鼻で笑った。何も反応せず私は黙ったまま男が話し始めるのを待ち続けた。さっさと話せよ背中痛いんだよ。
「此処はただの空き倉庫だ。車でアンタを運んで来たから早々に助けは来ないよ」
「大丈夫です、助けなんてそもそも期待してません」
淡々と私がそう答えると男は「…ほう」と意外そうな表情を浮かべて私の身体を舐めるように見回した。やめろ気持ち悪い視線で吐きそう頭かち割れる。
「私の正体を知ってるって事は、何か要件があって私を拘束したんですよね」
「ご名答」
「……内容は?」
「過激派攘夷グループ、"
「いや知らないっす」
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いくま(プロフ) - ふぉい!さん» 選ばれたのは綾〇ですよ((ニコッ (2018年7月24日 8時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぉい! - 選ばれたのは綾鷹wwww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 1633712eeb (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - マピトさん» コメントありがとうございます。一番だなんてとんでもないです。。。私もずっと土方さん推しなのでマピトさんの小説読んできます! (2018年4月5日 14時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 今まで見てきた小説の中でこの小説が一番良いなと思いました。 私も土方オチの小説を書いているので見習いたいと思います! (2018年4月5日 11時) (レス) id: 9353c4256d (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます。瞬時に思って頂き光栄です、笑しかし文才が皆無なのでこらから無茶苦茶展開になると思いますが、これからもよろしくお願い致します。 (2018年4月4日 12時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
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