58 抜け駆け ページ8
『…私さ、赤葦君の事は好きだけど美織ちゃんと争う意味が分かんなかったんだよね』
美織「……はい？」
涙も止まった顔で私を見る彼女。
でもこの際だし、さっき思った事言っちゃおう。
『だって最初から勝ち目なんか無いじゃん。
やれるとこまでやってみようと思ったけど…結局最後は後悔して終わる』
美織「……」
何も言わないんだね。
じゃあやっぱそう思ってて私に勝負持ちかけて来たんだ。
『だからさ、私はもう先に降参させてもらうね？』
両手をあげて美織ちゃんを見る。
美織「…じゃあさっき何で京治と2人で居たんですか。
私には…その時Aさん京治に告白しようとしてるように見えました」
『うん。言いそうになった。
でも貴女が来たでしょう？』
それで目が覚めたよ。
やっぱ敵わないな…って。
美織「…だって…Aさんが抜け駆けみたいな事しようとするから…っ！！」
うん、そっか。
…でもそれっておかしくない？
告白しようとしたら抜け駆けなの？
告白するのに貴女の許可が必要なの？
『…じゃあ私が勝つってなったらそれは…
最終的にどんな事なのかな？』
美織「それは…っ！」
ほら何も言えない。
心のどこかで思ってたんでしょ？
《京治は絶対私を選んでくれる》
って。
私はそれに付き合わされただけ。
偶々赤葦君が好きになって、美織ちゃんとも知り合っただけの一般人。
でも貴女のオモチャじゃないし、
赤葦君の気持ちを測る測定器でも無い。
『本気で赤葦君が好きなら私じゃなくて自分で何とかしてみれば？』
美織「私そんなつもりで言ったわけじゃ…」
そうだろうね。
もしその気で言ってたなら
私より心が荒んでると思うよ。
『…分かってるよ、美織ちゃんは優しいもん。
だからさ、私の事なんか気にしないで赤葦君と一緒に居ればいいじゃん』
美織「Aさん……」
『だから…私もこれだけは許してもらっていい？』
そう言って赤葦君から貰ったTシャツを掴む。
美織「…分かりました…
私、これからは自分の力で京治に振り向いてもらえるように頑張ります！」
『…うん、頑張ってね笑』
この時ちゃんと言ったじゃん。
これだけは許して…って。
【奪わないで】ってさ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 218人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らん(プロフ) - 紗綾さん» 紗綾さん！まだ読み続けていただけてるだけでも嬉しいのに…本当ありがとうございます！（；＿；）紗綾さんの為にも出来る範囲でガンガン更新させてもらいます！(≧∀≦) (2018年7月2日 10時) (
レス) id: 733e0e4959 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - 茉優さん» 大変長らくお待たせしてしまってすいません(T ^ T)ですがやっと小説書けるような環境が整いましたので、仕事の隙を見て書き溜めていた分ガンガン更新しますね！！(^ ^) (2018年7月2日 10時) (レス) id: 733e0e4959 (このIDを非表示/違反報告)
紗綾(プロフ) - らんさんの小説がウラツクの中で1番好きです！！いつも応援しています！体調に気を付けて頑張ってください！ (2018年7月2日 7時) (レス) id: d1babcc912 (このIDを非表示/違反報告)
茉優(プロフ) - お久しぶりです！！！また、らんさんの小説読めて本当に嬉しいです！！！ (2018年7月2日 6時) (レス) id: 0df41439fc (このIDを非表示/違反報告)
chika(プロフ) - めっちゃいいですね！更新楽しみにしてます！！！ (2018年2月12日 7時) (レス) id: f969a44ae3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らん | 作成日時：2017年9月22日 8時
