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「…千賀の事はもういいのか?」
ミツに問われフッと笑みをこぼす。
昼下り、俺とミツは御目見え以上の稽古を見学していた。
視線の先には今日も汗水垂らし稽古に励むニカと千賀。
楽しそうにニカと手合いをしている千賀を見つめる。
『もう終わったことだ。‥‥それに。』
ミツを自室【鈴蘭の間】に呼び、何枚かの文を見せた。
差出人の名を見てミツは驚いた顔で俺を見る。
『実は、何通か文のやり取りをしているんだ。』
この"文通”が今の俺の生き甲斐。
「…そうか。横尾さんも進んでるんだな。
蘭の問題が片付いたら会いに行くといい。」
ミツは中身を読むことはなく微笑んで文を返してくれた。
そう、俺は進んでるよ。···ミツ。
『ありがとう。ミツ、太輔と話し合えた?』
俺の問いかけにミツは微笑む。
その表情は、悲しそうだ。
「蘭とのこと聞かれて正直に話したよ。
俺のこと本気で好いてくれていたようだけど
嫌悪感ができたみたいだ。
···当たり前だよな。
アイツのこと裏切ったような気分だ。」
ミツの消え入りそうな言葉の向こうで
ニカと千賀の笑い声が聞こえた。
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作者名:いっぽちゃん | 作成日時:2023年4月13日 20時