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『……北山は大奥を出たら何処に行くの?』

俺の問いかけに北山は遠くを見て呟く。

「さあな。
帰る家もないしフラフラしながら銭を稼ぐよ。」

目を合わせない、北山。


『‥‥俺と一緒にならないか?』

こっちを振り返った北山は微笑む。


「また戯言を。お前は俺と居ない方が良い。
いくらでも嫁の貰い手は見つかるだろうし
この大奥で窮屈な思いしてきたんだ。
ゆっくり羽を伸ばせばいいだろ。」

窮屈な思い?


『俺は望んでこの大奥に入った身だ。
嫁なんかいらない。俺は北山が‥‥‥』

伸ばした手を振り払われる。

「やめてくれ…っ…。
俺は人斬りを楽しんでた蘭の傍にいながら
止めることをしなかった。
蘭の手によって善人の命がいくら零れたと思う?
俺はもう……」

『だから、蘭が斬られたら自分の腹を斬るって?』


俺の言葉に北山の瞳が大きく揺れ動く。




分かってるんだよ、お前の考えなんて。

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作者名:いっぽちゃん | 作成日時:2023年4月13日 20時

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