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「俺は、家元に戻るよ。」
『‥‥え?』
千賀からの予想外の言葉に戸惑う。
「俺は本来、千賀家の跡取り息子だ。
上様から頼まれたこの絵巻録を、
そして千賀家を守っていきたい。」
……どこまでお人好しなのか。
だって、、、お前は親に売られてココに来たんだろ?
銭と引き換えに。
そんな家、捨ててしまえばいいのに。
捨てて…俺と一緒になれば……。
「俺は、千賀家をこの日ノ本で一番の大店にしたい。
そして親を見返してやるんだ。」
千賀の瞳にもう迷いはなかった。
ここを出たら……もう千賀とは会うことはないだろう。
前を向いて
この日ノ本を引っ張って行くと決めたこの男の
傍にいることは、邪道だ。
伝えたい想いは沢山あったが、
俺は勢いよく千賀を抱きしめる。
あー‥‥‥クソっ。
好きだ、好きだ。
もっと早く…伝えれば良かった。
でもここは引き際も大事。
千賀ならきっと凄い大旦那になる。
素敵な奥さんを娶ることができる。
きっと、良家の。
俺は……お前の幸せを誰よりも願う。
『頑張れよ。』
バイバイ、俺の想い人。
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作者名:いっぽちゃん | 作成日時:2023年4月13日 20時