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皆が次の後継者を探し回る中、
俺は蘭の存在を隠しつづけた。
蘭の存在が公になれば、必ず蘭が次の上様になる。
蘭が辻斬りをしていろうが、
この大奥では血筋が優遇される。
···この世界は何処か狂っている。
蘭が上様になったらこの国は…終わる。
そして、俺はまた蘭から逃げなければいけない。
そんな中、一人の家臣が裕太の存在を嗅ぎつけた。
裕太‥‥
そう言えば昔、蘭が一度だけ弟に会ったと
話してくれたことがあった。
その弟が、上様になれば…っ……!!
迷いはなかった。
すぐに裕太を上様にする準備に取り掛かる。
俺が裕太と初めて会った時、
裕太はどこか闇を引き連れた瞳をしていた。
背中がゾクッと震えた。
蘭に似ている‥‥‥。
父親が違うのに、こんなに似るのか。
着物には所々血がついていて。
『連れてこられるのを抵抗して、怪我したのか?』
と聞いたが裕太は首を横に振る。
「親父が斬られた……。
親父を斬った男を斬ろうとしたけど…
仕留めきれなかった。」
裕太の手は震えていた。
「額を斬りつけた。直に死ぬだろうけど。」
震えていたが淡々と言葉を放つ。
その斬られた男が…蘭だったことは
その時の俺が知る筈もなかった。
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作者名:いっぽちゃん | 作成日時:2023年4月13日 20時