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✿97 ページ3

守れなかった‥‥‥

俺が刀を抜かずに伯母さんと逃げていれば。


俺が目を覚ました時は伯母さんは斬られて息絶えていた。

俺の恩人は……俺のせいで…っ…

命なんて簡単に消えてしまう。

その場の判断を間違えると‥‥‥。


「……藤ヶ谷ごめん。俺のせいでお前の伯母さんが…っ…」


頭を下げる北山に……

俺はどんな返答をすればいいのか。

また、判断を間違えそうで。


『北山の…せい、じゃないよ。
だって…あの男は辻斬りだろ?
誰のせいでもないよ…っ…。』

そう。アイツは辻斬り。

快楽のために人を斬るような男だ。

だからそもそも北山のせいじゃない。



‥‥だけど、、、

俺にはどうしても確認したいことがあった。

この答えを聞かないと、俺は前に進めない···


『北山はあの蘭って男と恋仲だったの?』


あの男の戯言だろ?

北山は男に興味ないもんな?

だから、俺との夜伽も嫌嫌始めようとしたんだろ?




それでも北山は真っ直ぐ俺を見て。


「俺は‥‥蘭を愛していた。」


残酷な言葉を放った。




あぁ··‥もう俺は前に進めない。

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作者名:いっぽちゃん | 作成日時:2023年4月13日 20時

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