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✿111 ページ17

後ろから勢いよく振り翳した真剣は蘭の肩を斬りつけた。

ひらりと身を翻され
自身の肩から出る血を見て蘭は舌打ちをする。

「痛えな…っ…
二人がかりで俺を斬るつもりか?」

蘭は扉を蹴飛ばし俺達からジリジリと距離をとる。



「···何だ?あれは?」

蘭が外に出たとき、
北西の方角の空が真っ赤に染まっていた。

そして焦げた匂いが鼻をつく。


「あれは火か?大奥がある方向···。

お前ら、何をした!?」


その場で立ち尽くしている蘭を見ながら
上様と俺は北西の方を見つめる。


「蘭、お前は取り巻き達に
大奥を襲撃するように命じたな?
だが、それはできない。‥‥大奥はもう、存在しない。」

「‥‥は?」

「この国の舵を天皇家に譲った。
大奥はもう存在しない。
玉森家は俺の代で終わったんだ。」



上様の言葉に蘭は絶句する。


俺はただ、上様の言葉を黙って聞いていた。

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作者名:いっぽちゃん | 作成日時:2023年4月13日 20時

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