i・ko・i [12/25更新] (ページ34)

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でも翔ちゃんは驚いてないね、と二宮くん。

まぁ、他の人もいるところでちょっとそんな話になってね、ってか言っていい？あいつを知ってるの、と櫻井くん。

櫻井『藤野の元カレさ、うちの取引先の元担当者だったんだわ』

はあ！？と皆が一斉に声を揃える。

"運良く人気の結婚式場に空きがあって、そこでめでたく挙式したんですよねー"とかってペラペラ話したそいつの同僚も、まさか、その式場で直前まで一緒に打ち合わせしてた張本人が目の前にいるとは思いもしなかっただろうけど。
オレは後からソレが元カレだったって聞かされてさ。痩せてった藤野のことを思ったらね、殺意が芽生えた。

だから三宅、昔流行った歌みたいに、今から一緒に殴りに行くか？(笑)

そう言っておちゃらけた櫻井くんに行く！と言ったのは二宮くんと三宅くんと森村くんと岡田くんとカコちゃんとサナちゃん。

ああ、私愛されてる。

二宮『慰謝料は？』

「貰ってない。

だって"別れたい"って言われて理由聞いたら"わかった"って言うしかなくて。なのに"おまえにとってオレってその程度かよ！"って逆ギレしたの。

何で私がわかったって言ったのかとか考えてないんだもん。
挙げ句、最後にヤらせてとか愛人になる？とかもう、気持ち悪すぎて関わりたくなかった」

ニノ、その辺りにしとけと櫻井くん。

ゴメンって顔をした二宮くん。

「大丈夫だよ。櫻井くんも二宮くんもありがとね？

櫻井くんは前に言ってくれてたけど、二宮くんや三宅くんが、あいつを殴りたいって思ってくれて嬉しかった。
私、こうやって理解してくれる同期の仲間がいっぱいいてすごく幸せだなって思ったから大丈夫だよ。

だから、心置きなく飲もうね？元カレのお金で(笑)」

二宮『え？(苦笑)』

「婚約指輪の代わりに貰った腕時計が高く売れたの(笑)。

形に残る使い方なんてしたくなかったから。だから、忘年会も今日も？(笑)」

二宮くんは顔を顰めて、

二宮『逆にトラウマになるわ。オレら、藤野の不幸由来のタダ飯タダ酒に沸いてたのかよ・・・』

二宮くん、不幸じゃないんだよ？

確かに色々傷付いたりもしたけど、遅かれ早かれ終わる程度の関係だったのよ。
多分、金銭感覚も合わなかったし、色々思い返すと、頼れるだけの器もなかった。

"好き"も貫き通せず、他の女の誘いを断れない、そういう男だったんだよ。