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「大丈夫よ、痛いのも気持ちよくしてあげるから……痛みじゃなくて、快楽で気絶させてあげる……」
き、き、気持ち悪ぃこいつ！！
は、圧倒的に無理なんだが。うわーこいつ無理ー。
つーかどうしよ。適当におびき出すか。
俺は怪しまれないようフードを脱いで、声を張り上げた。
「はあ！？ だぁから、違うってーの！ 俺が食ったわけじゃねーし、ちゃんと確認しろよなー！」
……咄嗟に電話で話してる人の振りしたけど、俺携帯持ってねーわ。やべ。
だって携帯契約出来ねえんだもん仕方ないじゃん……。
うわ露骨に舌打ち聞こえた。静かになったが、このまま息をひそめるスタンスをとるらしい。あーまずったか。鍵ガチャガチャ鳴らして脅してみるか？
俺は足音をわざと立てて、大きく鍵のかかった扉を──
ばきん、と音がした。
「……えっ」
女の声と俺の声とついでにあと一人声が重なる。
扉は開いた。普通に。
……あっ俺そういや世界観違う身体能力チートだったわ。うっかり。
明智少年はマットレスの上に倒れて目を閉じていて、後ろ手にされていた。見えないが手錠かなんかされてんのか？ ガチの犯罪だったわくそが。
「な、なん……鍵は、かけて……」
俺はうろたえる白衣を着た女性に首を傾げた。
「あれ、どしたんすか先生、こんなとこで……つーかそこの子」
俺は心配そうな顔を作る。
うん。ここは最初っから鍵なんてかかってなかった。気のせいだよ！
「え、あ、……そう！ この子、ここに倒れてたのよ！ だから介抱しなくちゃと思って……」
だったら鍵かけるわきゃねーだろボケ。でもうっかり鍵壊したなんて人間業じゃないと思うしなあ。
「はあ……そうなんすか。じゃあ、保健室連れてかなきゃ」
「ええ、そう……」
白衣の女は俺を見て、まじまじと上から下まで見てから、頬に手を当てた。
女はにっこりと笑みを浮かべて手招きした。
「ねえ、私一人じゃ彼を運ぶのは難しいの。手伝ってくれる？」
「……いっすよ」
おっっっと嫌な予感するなあ？？？
俺はゆっくりと歩いて近付いた。
「ねえ、見慣れない子だけど何歳かしら？」
「年齢、は、十五っすね」
「あら、そうなの」
女は、近づいてきた俺の手を、ぐっと引いた。バランスを崩す俺に、スプレーのようなものを顔に吹きかけた。
「なら、貴方も一緒に楽しめるわね？」
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