35話.番外編 ページ43
もうちょっと続けさせて下さいまし〜!
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まふまふは皮膚が徐々に鱗に変わっていく病気です。
進行すると強い痛みを伴います。
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「あ..っ、天つ..いっ...」
「大丈夫だよ、まふ君、俺はここにいるよ」
ぎゅう、と天月の手を握るその手は今は優しいオレンジ色の光を受けて青い鱗は光り輝いている。
今は、皆がずっとまふまふの家にいて、看病している。
彼の手を握って汗を拭くことしかできない。
この病気になったのはつい先月。
でももう体__上半身の首まで、下半身は脚_はほとんど皮膚が鱗に変わってしまっている。
「大丈夫だよ、僕らはずっとまふ君と一緒だからね。大丈夫、大丈夫」
「か、したろさっ...あっ..!」
一度痙攣したかと思うと、汗が滝のように流れた。
まふまふは肩で息をしながら、笑う。
「も、げん、かい..ごめんなさ..い」
「だめだ!まふ!生きろよ!諦めるなよ!おいっ...!!」
まさかの非常事態に皆は慌てる。
彼は「もう限界だ」と言っているのだから。
「Aっ!救急車!早く!」
『わ、解った!』
電話の受話器を持つ手が震える。
Aの顔には焦りが浮かぶ。
「いい、よ..幸せ、だった、ありがと..」
「まふ君!皆は..!」
「コニー君、いいよ。大丈夫」
制したのはそらるだ。まふまふと仲が良い。
そらるはまふまふの頬を撫でて優しく微笑んだ。
「まふ、今までよく頑張ったね、偉いよ。休んでいいよ」
そう言うとそらるはまふまふの額に口付けをした。
まふまふは微笑んで口を開いた。
「ありが、と..だい、すきです..さよ、なら..」
そう言って涙を流す。
瞼を閉じると、まふまふの手は力なくおろされた。
そらるは涙を流さず、微笑んで優しく頭を撫でている。
天月はとうとう泣き出してしまう。
歌詞太郎はこの状況が解らないのか、座りこんで体を震わせている。
‘残念ですが、この病気は治療が難しいです’
‘進行するにつれ皮膚が鱗に変わっていき、強い痛みを伴います’
‘最悪の場合、しに至ります’
「ごめん、ごめんな..まふ、お前を助けるって何回も言ったのに、俺は..」
「天月くん..」
『翔太、貴方のせいじゃないわ』
『すごく幸せそうな顔してるでしょう?皆に感謝してるんだと思う。
大好きな皆に見送られて。嬉しかったんだと思うわ』
「..そうなのか、そうだったのか..まふ、俺は..」
安らかに眠る彼の顔はとても幸せに満ちていた。
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明日奈(プロフ) - chopoさん» いえいえ〜!こちらこそ!すごく楽しい短編にできたのでこちらも嬉しいです〜* (2013年11月26日 20時) (レス) id: d6ac1e21d9 (このIDを非表示/違反報告)
chopo - わぁぁぁぁ!!!短編まってました!!ありがとうございます!! (2013年11月24日 14時) (レス) id: c386d01ee6 (このIDを非表示/違反報告)
明日奈(プロフ) - chopoさん» わああ、いつも有り難う御座います..!本当ですか?すごく嬉しいです〜*番外編の短編集..考えておきます笑有り難う御座いました! (2013年11月19日 19時) (レス) id: d6ac1e21d9 (このIDを非表示/違反報告)
明日奈(プロフ) - 鏡音ルンさん» ご協力有り難う御座います!2へ行く事になりました〜* (2013年11月19日 19時) (レス) id: d6ac1e21d9 (このIDを非表示/違反報告)
明日奈(プロフ) - 魅友香@季姫さん» 有り難う御座います!2へ行く事になりました〜ご協力有り難う御座います! (2013年11月19日 19時) (レス) id: d6ac1e21d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七星 | 作成日時:2013年8月19日 22時