【呪術廻戦】呪術とギャル-0.4-

049：初めての燃える男25 ページ39

「呪霊操術です。簡単に言うと、呪霊を支配下に置くことが出来て、尚且つそれを好きな時に手持ちとして出し入れできるって感じですかね」

「あぁ！ポケ〇ントレーナー的なね！」

閃いた！と言わんばかりに述べたAに、硝子と五条が笑いを堪える。
後で覚えとけよ、と睨みを利かす夏油の事など露知らず。

「可笑しいです」

ふと、前触れもなく燃える男が口を挟んだ。

「二体なんて、可笑しいです」

「いや、二体だね」

二体居る。
誰よりも早くきっぱりと述べたのは、五条だ。
半身起き上がらせているあたり、かなり回復したようにも思える。
困惑する燃える男。夏油は、男と五条を交互に見遣った。

「…」

Aは黙って、顎を摩った。

「なんで？」

「なんでって…俺の眼で確認したからだろうがよ」

これだから雑魚に合わせるのは疲れんだよ。
舌打ち混じりに述べた五条に対し、硝子がまた彼を咎める。
しかし、五条は改めるつもりはないらしい。
終いには、困惑する男にまで突っ掛かり始めたのだ。

「大体、まさか呪霊如きの言葉の方が信じれるとか言うんじゃねーだろうなぁ？この、たかが、呪いの、分際ッ！」

「ひぇッ」

言葉の切れ目ごとに、五条は人差し指を男へと何度も突き立てる。
サングラスの奥からビー玉のような澄んだ瞳が見えるが、その綺麗な瞳に反して目つきはなんと悪いことか。
思わず男は小さく悲鳴をあげた。
だが、その程度で思いやりを見せられる程、五条悟という人間は優しくない。

「馬鹿で雑魚だろうから、俺が親切に教えてやるよ。呪いは何処まで行っても呪いなんだよ。信じるもどうもねぇ、そいつ含め呪い全てが敵だ。殺して殺して殺しまくって、それで終い。分かんだろ」

「て、敵って、そんな、私は、」

「お言葉ですが、」

五条と困惑する男。
顎を摩り、静かにしているA。
彼女が口を開くよりも早く、夏油が手を挙げた。

Aが視線だけで彼に発言権を渡す。

「悟の言っていることは正しいかと。…まぁ、言い方はさておき。ただ、彼の六眼が今まで間違っていたことはありません。短い付き合いですが、保証でき＿＿＿＿、」

「傑、やめとけ」


夜蛾が突如夏油の言葉を遮った。
場に削ぐわぬ気が抜けた声音で、彼は言ったのだ。

「Aにそういう言葉は通用しないぞ」

諦めろ。
夏油は思わず、「は？」と疑問符を浮かべた。
何を言ってるんだ、通用するとかしないとかじゃないだろこの状況。

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