ーー赤29 ページ30
ーーーさよなら、なんて
Aが今日使っていたバッグをAの両親へ預けるのを忘れたため、それを持って家へと帰る。
食欲がなかったため、自室へ直行し、ベッドへダイブする。するとそこに、桃井からメッセージが届いた。
さーつきさっきは叩いて、ごめんなさい。あのさ、Aから事故の前にメッセージ届いてて、それに今日いいもの買ったから明日ね!って言われてたんだけど、それ、赤司君持ってる?
赤司ああ、持っているよ。明日持っていこう。
さーつきわかった、それじゃあ、明日
いいものは桃井へのプレゼントか...そう思いながらAのバッグに入っていた袋をとりだし、学校のカバンへ移し替えてからAの使っていた部屋へ向かう。
部屋へ入るとすぐ、机の上に置いてある手紙を見つけた。宛名が俺だったため、手に取って開けてみる。
中には3枚の紙が入っていた。
2枚一緒におられた方には、仲良くなった時や、俺がAを守ると決めた時の懐かしい思い出話が書かれてある。
そして、1枚のみでおられていた3枚目の紙に書かれていた内容に、俺は愕然とした。
【 征へ
きっと、この手紙を読んでいる征には、彼女や、奥さんがいて、私にもそんな人がいると思う?笑
ちゃんと笑い話にできそうな頃を選んで、渡したはず...??
これを書いたのは、切り替えるため。だから今はまだ未練たらたらだけど、きっといつか吹っ切ってるよね?
だから、いいます。...書きますか。笑
私は、ずっと征...赤司君のことが好きだった。
けどね、もう大丈夫。もういいよ?さよならしよっか。
私の思いも、守るって言ってくれたあの約束も、全ていま返すから。
今までありがとう。
夢】
そう、書かれていた。
悔しかった。
わかってあげられなかったこと。
誤解を、解けなかったこと。
あんなこと、しなければよかった。
あやまるから、だから...
「さよなら、なんて...」
1人で勝手に決めるな。
1滴落ちた、涙に気付かないふりをして俺はその部屋をでた。
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作者名:真紘 | 作成日時:2017年6月15日 19時