ーー赤27 ページ28
ーー嘘つきは
「なんのようだ。」
帰ってくださって結構と、Aの父は確かにそう言ったのに、なぜ戻ってきた。そんな気持ちを込めて美咲を見る。
「...はなしを、したくて」
そういい近寄ってくる。
「話すだけならそこでいいだろう？俺も聞きたいことがある。」
遠まわしに近寄るな、と言えば絶望したような顔、聞きたいことがある、と言った時は何かに期待した顔。
何を期待したのだろう？期待することなどなにもないと、さっさと要件を伝える。
「俺が聞きたいのは、彼女のふり、の件だ。美咲はAに嫉妬させるためだと言ったな？あれは、嘘か？」
「...そうだよ、嘘。本当は、私が私が赤司君と付き合いたかっただ「ふざけるな」っ...」
悪びれもせずにそう言い放った美咲に隠すつもりだった怒りが爆発する。
「まって、聞いて？私は、本当に赤司君のこと好「黙れ。それなら昨日言ったことも嘘だな？俺のことが好きかどうか、Aに確認したと言っていたがそうじゃないのだろう？」...赤司君の、彼女は私だから、とらないで、縛らないでって言った...」
怒りに任せ、美咲の言葉を遮って聞くと、
一番最悪なことを言ったと白状した。
ふざけるな、本当に。俺に言ったことと、実際にやっている事が真逆だ。
きっとこのせいで、Aは最後に俺にさよならしようと言ったのだろう。
「でもさ、Aちゃん、こんなになっちゃったし。起きても記憶無いかもしれないんでしょう？だったら、私と本当に付き合わない？」
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作者名：真紘
| 作成日時：2017年6月15日 19時
