【呪術廻戦】ギャルと呪術-1-

021：ギャルとナニカ ページ21

僕はその青い瞳で凝視した。


首を90度傾げたメンフクロウみたいな…
でもよく見れば、狐のように尖った耳が対で生えていて…
本当に、みたいなという言葉が良く似合う。
だってそれは、何とは断定し難い見た目をしているんだから。

目は真っ黒に塗りつぶされ、ぽっかりと穴が空いているみたいだった。
けれど、そいつは確実に無い瞳に僕を映している。
真っ白で大きな体。
腕の代わりに羽が生えている。
その羽を片方だけ広げているが、羽の先には馬鹿みたいに大きな鉤爪がついていた。
そして、その鉤爪をAの首に引っ掛けている。


そいつには、Aに浮かんでいるのと同じ紋様があった。


呪いは、物に憑いている時が一番安定するというのは、僕たちの界隈の常識だ。
そして、物を通し呪いと被呪者は繋がる。要はパイプが多くの場合存在する。

Aは違う。

理解した瞬間、体中が粟だった。


コイツ、物なんて介さず直接Aの体と繋がりやがった……ッ


兎に角そいつを前に僕はすぐ動けなかった。
瞳に映した情報のまま、僕は言葉を零す。

コイツは＿＿＿＿＿＿、


｢………土地神｣


名もなき架空の場に、土地神だって？
そんな馬鹿なと僕は自分の脳に尋ねたが、それでも脳も瞳もこれは土地神だと言ってくる。





ただ、ひとつ分かることがある。
こいつは、呪霊の範疇を超えている。
最強となった自分にも手に負えない、ナニカ。





Aは、正体不明で名もなきナニカ、仮に土地神としたとして。
ソレの、逆鱗に触れた＿＿＿＿。









【調査報告書】

事件発生日時：2006年8月■日(■) 午後23時
調査場所：■■■■駅
調査術師：可借夜 A


調査事項
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
１.発生の経緯
200■年頃からネット掲示板にて投稿された「■■■■駅」が発端である。
現判断では、駅自体が存在しない駅名の為、何故形となり発生したのかは解明に至っていない。

２.調査状況
可借夜A一級術師が現場に向かう。
その後、戻らない事から五条悟■級術師 夏油傑■級術師 家入硝子■級術師 計3名が引き継ぐ。
五条■級術師が、現場先にて行方不明者と思われる遺体数体を確認。
同時、可借夜一級術師を発見。

３.被害状況/呪霊
行方不明者等死亡。
呪霊数十体は可借夜一級術師が祓ったものだと思われる。
出自不明の呪霊(※土地神と仮定されるが不明)を確認。
可借夜一級術師が被呪者となったことで、本件を調査終了とする。

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