箱庭少女の孤高哀歌【瞬木隼人】Part13

#憎悪 ページ21

ｵｽﾞﾛｯｸ「全宇宙に告ぐ…！
我がイクサルフリートを突き動かすモノは、ファラム・オービアスへの滾り立つ憎しみ…！怒り！！
私は奪われたモノを奪い返す為に此処にいる……ソレが我々の悲願なのだ！

ただ奪い返すだけでは無い…お前達の宇宙、全て奪ってやる！」



ぐらぐらと鍋の様に煮え滾る憎悪を肌で感じる。

オズロックだけではない。
彼が率いる11人の人達からも感じた。


彼等は過去にファラム・オービアスに何かを奪われたようだ。

此処ファラム・オービアスは銀河一栄えている星みたいだし、確かに星の1つや2つ犠牲になっていた所で可笑しくはない。


彼等の住んでいた星も過去にファラム・オービアスに奪われたんだろう。

いや…星だけじゃない。家族、友人、恋人。
大切な人達、大切な物、その全てを失ったんだ。



大切な何かを誰かに奪われると、人は奪った相手に憎しみの念を持つものだ。

それはどうやら宇宙人でも例外ではないみたい。



ｵｽﾞﾛｯｸ「この試合は全宇宙に絶望を与える為の余興だ……」



オズロックはそう言いながら指を鳴らすと
不意に暗転していたモニターが映った。

そこには私達アースイレブンのエンブレムと
イクサルフリートのエンブレムが並んでいた。



ｵｽﾞﾛｯｸ「お前達が希望とするサッカーが、お前達を破壊する」

久坂「アイツ…どうかしてる…」

井吹「ああ……」

A「は…はー君……」

瞬木「大丈夫だA、どうせ大した事ない」



オズロックの宣言に私達は驚きを通り越して、狂気すら覚えた。


ﾄﾞﾛﾄﾞﾛと溶けた憎しみの念が目に見えるようで
私は思わずはー君に身を寄せると、はー君はオズロックから目を離さずにそう言った。

睨むようにオズロックを見つめていたはー君。
でも同時にはー君もまた、オズロックの狂気を垣間見て眉を潜めた。



そんな中、オズロックはふと私達が今さっき闘っていたチーム……ファラム・ディーテの方へ歩み寄る。


そうして彼は淡々と告げた。



ｵｽﾞﾛｯｸ「消えろ、ファラム・ディーテ。……目障りだ」

ﾊﾞﾙｶﾞ「目障りだとっ…？！」



ハッキリと告げられ、当然ファラム・ディーテの選手達は激高。

元々鋭く向けられていた視線が更に鋭くなり
一触即発の状況に陥った。

#黒いサッカーボール→←#サッカーが怒ってる

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す