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彼女ははぐらかした ページ22

「……何でしょう」

「いやぁ、そんな警戒しないでくれよ。
ただ、あんまりにもキレイだったから声掛けただけなんよ」



警戒心剥き出しの彼女に対し、男はヒラヒラと手を振りながらそう言ってのける。

ナンパならナンパでそれはタチが悪い。
でも彼等から漂うソレは決して平民ではない事を物語っていた。



「冷やかしですか?」

「そうじゃねーって。ちょっとお話したいな〜、なんて」

「話す事はありませんし、話す必要もありません」

「連れないなぁ、少しだけでもいいじゃん」



今、面倒事には巻き込まれたくないので彼女はどうにか突き返そうとするが、相手もなかなか引き下がらない。

終いにはリーダー格っぽい男が自分の隣にドッカリ座り、盛大に足を組んで寛ぎ始める始末だ。


メコメコと、彼女の握る缶コーヒーの容器が変形していく。

彼女は少しだけ座っている場所をズレて、男と距離を取った。



「お嬢さん、ここらの人?この辺じゃ見掛けないケド」

「…違います」

「何処から来たの?もしかして遠くから?」

「さぁ、どうでしょう」

「これから何処に行くんだ?
ここら辺だったら良かったら案内するけど…」

「触らないで」



こちらを探っているのか、次々と質問をする男。

彼女はそれを適当にはぐらかしながら、肩に回ろうとしていた男の手を引っぱたいた。


流石にこの態度は男も腹が立った様で、眉間に皺を寄せて何やら文句を言おうとしたみたいだが
その前に彼女は立ち上がると「もういいかしら?」と首を傾げた。



「私、これから友達と待ち合わせをしているの。
悪いけど、アナタ達に付き合ってる暇ないのよ」



「じゃあね」とそのまま去ろうとする彼女の前に、もう2人の男が立ちはだかる。

彼女は思わず舌打ちをかますと、リーダー格の男もベンチから立ち上がりながら言った。



「そう言わずにさぁ……俺達と遊んでくれよ、お嬢さん

……………いや狹垰堙狙皚瓩里嬢さん?」

彼女は逃げ出した→←彼女は役目を終えようとしていた



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(プロフ) - 朝から暇潰しにと軽い気持ちで読み進めてたんですが、書き方や設定の作り込みにすごく惹き込まれて一気に最終章まで読み進めてしまいました……特に主人公対兄松それぞれのやり取りにはすごく圧巻したというか、兎にも角にも笑いあり感動ありですごく面白かったです;; (2022年4月30日 0時) (レス) @page50 id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - トマトの王様さん» コメントありがとうございます!終わってしまいました…!楽しんで頂けたようで良かったです^^ここまで読んで下さりありがとうございました〜!! (2019年8月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
トマトの王様 - うわあぁぁぁぁぁ!遂に終わってしまった…!( ;∀;)読んでてとても楽しかったです。お疲れ様でした! (2019年7月31日 14時) (レス) id: 5390b171c6 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - arumo?さん» コメントありがとうございます!お疲れ様ですっ( ˇωˇ ) (2018年10月10日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
arumo?(プロフ) - お疲れ様です! (2018年9月29日 11時) (レス) id: ee4365cb85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月9日 1時

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