サファイアは恥ずかしがる ページ3
「だってカラ松食べないんだもん…
食べさせて欲しいのかなー、って」
「そ、そっ…そんなわっ……!ゲホッゴホッ!」
「だ、大丈夫カラ松…?」
思ってたよりも変な所にアイスが言ってしまったのか、激しく咳き込むカラ松に彼女も思わず椅子から浮かしかけた。
「お水貰って来るね!」とまたクレープの屋台に戻ろうとする彼女の腕をカラ松は掴み、苦しそうに首を横に振ると「だい…じょうぶ、だ」と途切れ途切れに告げた。
その言葉に彼女は一瞬悲しそうな顔をしたけれど、すぐに椅子にまた腰掛けると
少し落ち着いてきたカラ松を見遣りながら「ごめんなさい……」と謝った。
「ゲホッ……い、いいんだA。謝らなくても。
キティはこの美味しいクレープを俺と分け合いたかったんだろう?」
しょんぼりと項垂れる彼女にカラ松はそう言いながら頭に手を伸ばすと、ポンポンと優しく撫でてやった。
そうすると彼女は黙ってカラ松の言葉に頷き、カラ松は「そうだよな」と微笑むと、握っていたスプーンを持ち替えた。
「じゃあ、交互に食べよう。……それでいいな?」
「う…うん…!食べて食べて!このネコさん美味しいよ!」
カラ松の提案に彼女はパツと顔を上げて、嬉しそうに微笑むと持っていたクレープをズイッと彼に突き出した。
カラ松はそれに苦笑いを浮かべながらも、ネコのアイスを生クリームと一緒に掬って1口口にした。
その時爐海料阿鉾狃が口を付けたんだよな瓩塙佑┐鴇し気恥ずかしくなったが
目の前で満面の笑みを浮かべる彼女を見たら、そんな邪な想いを抱く自分が別の意味で恥ずかしくなってきた。
「はい、次はカラ松だよ〜!」
「あ、ああ…」
そんな事を考えているといつの間にか彼女は1口食べたのか、またクレープをカラ松に差し出し、カラ松は今度は何処から食べようかと考える。
ネコのアイスの周りを囲むように飾られたフルーツを見ていたら、フルーツが食べたくなったので
カラ松はイチゴを生クリームとチョコソースと一緒に掬うと、途端に彼女が声を上げた
「…………あ」
「あ?」
「………………イチゴ、食べちゃうの?」
「………………」
あまりにも悲しげにそう言うので、カラ松は少し迷ってから彼女の方にスプーンを向けると
彼女はパッと笑って何の躊躇も無くそのひと口を貰い、カラ松は彼女の無邪気な笑顔に口元を緩めた。
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柊(プロフ) - 朝から暇潰しにと軽い気持ちで読み進めてたんですが、書き方や設定の作り込みにすごく惹き込まれて一気に最終章まで読み進めてしまいました……特に主人公対兄松それぞれのやり取りにはすごく圧巻したというか、兎にも角にも笑いあり感動ありですごく面白かったです;; (2022年4月30日 0時) (レス) @page50 id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - トマトの王様さん» コメントありがとうございます!終わってしまいました…!楽しんで頂けたようで良かったです^^ここまで読んで下さりありがとうございました〜!! (2019年8月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
トマトの王様 - うわあぁぁぁぁぁ!遂に終わってしまった…!( ;∀;)読んでてとても楽しかったです。お疲れ様でした! (2019年7月31日 14時) (レス) id: 5390b171c6 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - arumo?さん» コメントありがとうございます!お疲れ様ですっ( ˇωˇ ) (2018年10月10日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
arumo?(プロフ) - お疲れ様です! (2018年9月29日 11時) (レス) id: ee4365cb85 (このIDを非表示/違反報告)
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