サファイアは胸が痛んだ ページ8
「A…」
「元気ないよ、カラ松。どうしたの？カラ松もチョロ松と喧嘩しちゃったの…？」
Aはカラ松に話し掛けながら、しゃがみ込んで彼と目線を合わせた。
カラ松はそんな彼女の視線からすぐ目をそらしたものの
再び彼女と目を合わせると、らしくもなく眉を下げて微笑んだ。
「いや…そうじゃないんだ、A。
別に俺とチョロ松は喧嘩なんてしてないさ」
「じゃあどうしてカラ松はそんなお顔をしているの…？何か嫌な事でもあったの？」
その弱々しいカラ松の微笑みは、幾ら人の感情に鈍いAでも何かがあった事は容易に予想出来た。
気にしないよう言うカラ松にAは更に問い掛ける。
しかしカラ松もカラ松で彼女からまた目をそらすと、視線を床に落として「そうでもないさ」と誤魔化した。
「…嘘だよ。だってカラ松、いつもと違うもん！
いつものカラ松はもっと頭可笑しいもん！」
「………ん？」
「それにそんな笑い方しないし、そんな顔もしない。
ねぇ、カラ松。何かあったんでしょ…？教えて、カラ松！」
「………」
目を合わせようとしないカラ松に、Aは尚も食い下がる。
その瞳は本当に心配している時の表情で、横目でソレを見たカラ松は胸が痛んだ。
しかし自分が黄昏てしまっている原因が彼女自身にあるだなんて、本人を目の前にして言えるわけもない。
カラ松はチョロ松から聞いた。
Aには好きな人がいるらしいと。
その相手は長男のおそ松であると。
最初はカラ松も半信半疑ではあったが、考えてみればAはおそ松をそういう風に見ているのではないか、という場面は今まで何度かあった。
おそ松といる時だけ普段とは違う表情を見せたり。
おそ松と目が合うと頬を染めてふにゃりと笑ったり。
おそ松の事になると人一倍心配したり、気にしたり。
その度カラ松は気のせいだと誤魔化して知らないふりをして来たが、チョロ松の話を聞いてやはりそうなのではとショックを受けた。
何故ならカラ松も彼女の事は好きだから。
勿論1人の女性として。
ロマンチストなカラ松にとって、彼女は運命の人だと信じて疑わなかった。
まるで空から舞い降りた天使のように出会いは唐突で
愛らしく無垢な彼女がやって来たのだから。
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＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてうれしいです…！更新頑張ります〜(*´∀｀) (2018年4月11日 1時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 面白かったです！更新お待ちしてます！ (2018年4月8日 0時) (レス) id: 9891d1bd62 (このIDを非表示/違反報告)
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