サッカーと大罪人とお好きな松とヒーローと【短編集】2 (ページ20)

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素敵な素敵なプレゼント【カラ松】ページ20

「my honey…happy birthday」

「ありがとう、カラ松～！」

無駄に発音のいい彼を軽くスルーして、私は彼に微笑みを浮かべた。

今日は私の誕生日。
彼は毎年この日になるとわざわざ私の家まで来て、こうして祝ってくれる。

正直言うと凄く嬉しい。

イタイ言動がいつもより倍増しするけど。

でも自分の生まれた日を恋人が祝ってくれるだなんて、素敵な事でしょう？

「これは俺からの囁かなpresentだ…受け取ってくれ」

カラ松はそう言ってｷﾘｯとうるさい顔を決めて、私に真っ赤な薔薇の花束を差し出した。

毎年毎年薔薇をくれるとは…しかも年々地味に増えている気がする。

まさかこれは私の歳の数ではなかろうな？

…まぁ、それでも嬉しいものは嬉しいけれど。

「毎年本当にありがとうね、カラ松」

「ﾌｯ、俺はhoneyの生誕を心から祝福しているだけさ…
この星に産まれて来てくれてありがとう…そして、俺との運命の歯車を」

「あとはそのイタイの直してくれるとなー」

「い、いたい？」と戸惑う彼をｸｽｸｽと笑ってやると

突然彼はらしくもなく照れ始め、私から目をそらした。

「…？どうしたの？」

「いや、あの…」

頬を朱色に染めながら彼はもじもじしていたが

意を決したのか私の前に跪くと、一つの黒い小さな箱を取り出した。

その箱には恋愛ドラマなどで見覚えがあった。

「おっ…俺と、結婚してくれ、はに……

……いや、A」

「…！！」

そしてその箱がゆっくりと開かれると

そこに入っていたのは、シルバーの指輪。

「えっ…え……えっ…ぇ……？」

唐突の事に頭が追い付けず、暫し間抜けな声をあげて口をぱくぱくさせていたが

やっと理解出来た頃には、私は涙を流していた。

「う……ぁ……」

「あ、だ、ダメ、だったのか…？
や、やはりイタイ？男は嫌か、A？？」

「そうじゃなくってぇ……！！」

今度はあたふたし始める彼に私は泣きながら抱きつき、ぐりぐりと頭を彼の胸板に押し付ける。

そして私は鼻声になりながらも、彼に返事を返した。

「こちらこそ、よろしくお願いしますだよぉ…！！
愛してるよぉ、バカラ松ぅ…！！」

瞬間、私は首に違和感を感じた。