◇ラプンツェルにぶつかったのは ページ47
「当然、イナズマジャパンのマネージャーも辞めてもらいますよ。そうしてまた病院生活に逆戻りする事になる」
「……」
「とにかく、歩けなくなるまで身体を酷使しないで下さい。そうして、出来れば重い物も持たない事。また松葉杖……いえ、下手したら車椅子生活になるかもしれませんよ」
「…………はい」
最後は脅しにも似た警告を告げられ、私は先生のいる部屋を出る。
ついでにリハビリして来いって言われたから、リハビリの部屋に行こうとしたら、曲がり角で人にぶつかっちゃった。
「あだっ!」
「…! すまない、大丈夫、か……」
気分が憂鬱で前をちゃんと見てなかったせいだね。
ぶつかった勢いで尻もちをついた私に目の前の人は謝ってくれた。
だから私も「大丈夫」って顔を上げ、目を見開く。
目の前のその人はもうとっくに私と同じような顔をして、私を見つめていた。
「黒井……?」
「ご……ゴウエンジ…?!」
目の前に立っていたのはなんとゴウエンジ。
私は思わず目を瞬かせ、尻もちついたのも忘れていた。
な、なんでこんな所にゴウエンジが……?
もしかして、何か病気を患ってる……?
それともお見舞い……なのかな?だとしたら誰?
妹さんは事故で暫く眠ったままだったみたいだけど、もう起きたんだよね?
1人で悶々と考えていたら、ハッとしたゴウエンジが私に手を差し出した。
そこで私も我に返って、その手を掴むとゴウエンジは私を立たせてくれた。
「あ、ありがと……」
「……そうか。黒井が通ってる病院って、此処だったのか」
まだゴウエンジが病院にいる理由も分からないまま、とりあえず御礼を言うと、ゴウエンジは何やら納得したような顔をして、苦笑いをする。
そう言えば、何処の病院に通ってるのかまでは言ってなかったんだっけ……?
「うん、此処がこの辺で1番おっきな病院みたいだからね」
「それもそうか……でもこんなに身近だったとは思わなかった」
「それでね、それでね!私の担当してくれてるお医者さん、ゴーエンジ先生なんだ!」
「ゴーエンジ、って……まさか、俺の……」
「そう!ゴウエンジのお父さん!」
ビックリするかな、と思って私はそう言ってみるけど、ゴウエンジは一瞬目を見開いた後、苦い顔をする。
まさかそんな顔されるとは思わなくって、思わず私は口を閉ざす。
もしかして、ゴウエンジとゴーエンジ先生って、仲が悪い……のかな?
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*IJu*(プロフ) - カニ味噌汁さん» コメントありがとうございます!そんなにお褒め頂き嬉しいです…!楽しんで頂けているようで^^更新頑張りますー! (2022年10月17日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
カニ味噌汁(プロフ) - 今まで見てきたイナイレの作品の中で一番好きです!更新頑張ってください! (2022年10月11日 4時) (レス) @page45 id: cefe10f937 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます!! (2022年9月10日 1時) (レス) @page38 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます!本当最高です! (2022年8月11日 16時) (レス) @page30 id: b236fc8679 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - たけのこさん» コメントありがとうございます…!気に入って下さって嬉しいです^^更新頑張りますー! (2022年8月8日 14時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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