◇ラプンツェルはドジっ子ちゃん ページ5
痛いとかよりも、まず『恥ずかしい』って感情が私の中で渦巻いた。
しかも今度はフドウに見られた。
ジャージの持ち主。本人に。
別に気にしなくてもいいんだとは思う。
だってただ踏んじゃっただけだし。
大袈裟だとは思うんだけど。
この時の私はジャージを抱き締めて眠っちゃった件があったから。
より一層、恥ずかしく思っちゃったんだと思う。
「(穴があったら入りたい、って……この事を言うんだね……)」
「…何1人でやってんだ、ドジっ子ちゃん？」
あんまりにも恥ずかしくって、でもすぐには動けなくって。
見兼ねてフドウは私をからかうようにそう言いながらも、おもむろに手を差し出してくれた。
ビックリしたけど、私ね、その手を掴もうとしたんだよ。掴んで立ち上がろうとしたの。
でも私が手を伸ばしたその時に
タイミング悪くトビタカが通り掛かった。
「…………黒井？」
「あ…！と、トビタカ…！」
「……」
トビタカは私達を見つけて、一瞬目を丸く見張る。
交互に私達を見て、そうして最後にフドウを見て。
途端に眉間に皺を寄せると、睨むような眼光でフドウを見遣った。
……って、いうか……睨んでる？
「……あぁ、そう言えば。こんな所でちんちくりんなんかに構ってる暇なかったんだー」
「えっ…？」
トビタカが現れた途端、フドウは差し出していた手を引っ込めると、くるりと方向転換。
何処か違和感を感じる話し方をしながら、腕を首の後ろに回してそのまま去ろうとしていた。
えっ…？き、急にどうしたんだろう、フドウ…？
なんか話し方が棒読みっぽいけれど。
それに用事があるような感じでもなかったし……
トビタカもフドウを睨みつけるだけで何も言わないし。ずーっとフドウの背中を睨みつけて。
そんなトビタカが口を開いたのは
フドウが行っちゃった後だった。
「大丈夫か？黒井？」
「う、うん…大丈夫…だけど」
いまだ床に座り込む私に近付き、さっきのフドウのように手を差し出してくれるトビタカ。
その時にはもう鋭い眼光も解れ、いつもの優しい顔をしていた。
私は戸惑いながらもその手を掴んで立ち上がる。
下敷きにしてしまったジャージも拾って埃を払っていると、トビタカは続けて尋ねた。
「…不動に何もされてないか？」
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＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！励みになります…！ (2021年10月15日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！不動との進展に目が離せません！ (2021年10月13日 1時) (レス) @page12 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！ノロノロ更新ですみません…orzでも楽しみにして頂いて嬉しいです！更新頑張りますー！ (2021年10月2日 22時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2021年10月2日 0時) (レス) @page9 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます…！ (2021年8月26日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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