◇ラプンツェルのデタラメ ページ4
「へ？ナニガ？」
自分でも白々しいって思うぐらい、妙に甲高い声が出た。
訝しげに私を見遣るフドウ。
まるで探偵さんみたいで、私の顔が引き攣る。
じっと私を上から下まで見て、首を傾げると
フドウはその顔のまま続けた。
「…なんか、いつもより変だから」
「変？ナニガ？私の何がそんなに変？？」
「なんか…スッゲー怪しい。
つか、なんでジャージ隠してんだ？」
＿＿＿やっぱり、バレてる。
ついでで私の背中に隠した物を見破り、私の顔が更に引き攣る。
いや、多分見えてるんだと思う……
咄嗟に隠したから袖とかそのまま垂れてるし。
そうじゃなくてもフドウは鋭いし。
「それ、俺のジャージか？」
「う、ううん！チガウヨ！これはね、私の！私のジャージ！」
「嘘つけ。サイズ明らかにデカいだろ」
「そ、ソンナコトナイヨー！
ただちょっと大きめのヤツ貰っただけだもん！
ほら！だっておっきい方が多少成長しても長く着れるでしょ？私、絶賛成長期だからさ！これから身長いっぱい伸びるからさ！！うん！！そゆこと！！」
「はァ……？」
誰か私を止めてほしい。
口からデタラメが止まらない。
しかもそのデタラメもいい加減だから、フドウは途端に眉を顰める。
ど、どうしよう……もういっそこのまま逃げちゃおうかな……
本当にもう少しで洗濯機の所行けるし。
サッと行ってパッと出しちゃえばフドウもわざわざ取りに行くような真似はしないよね。
……て、言うか……
どうしてジャージ1つでこんなに焦らなきゃならないんだろう、私……
別に悪い事してないのに……
ただフドウのジャージを抱き締めて寝ちゃっただけ……
「〜〜〜〜〜っ！！？」
そこまで考えてから、私は思い出してしまう。
こうなってしまった原因。
今朝の、昨日の夜の出来事を。
瞬間、顔に熱が集中する。
今の私の顔、絶対真っ赤だ。
ああ、ほら。フドウも驚いた顔してる。
「黒井…？おい、お前大丈夫か…？」
「わっ、わっ…？！」
終いには本気で心配されちゃったみたいで、変なあだ名で呼ばなくなった。
普段とは違う、戸惑った顔で1歩近付いて来たので
私は驚いて思わず後ろに後退ろうとして、尻餅をついた。
その時にフドウのジャージを思いっ切り下にしてしまい、私は心の中で悲鳴を上げた。
だ、だだ抱き締めて眠っただけでなく……
おしりで踏んづけちゃったっ……！！！
◇ラプンツェルはドジっ子ちゃん→←◇ラプンツェルとタイミング
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！励みになります…！ (2021年10月15日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！不動との進展に目が離せません！ (2021年10月13日 1時) (レス) @page12 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！ノロノロ更新ですみません…orzでも楽しみにして頂いて嬉しいです！更新頑張りますー！ (2021年10月2日 22時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2021年10月2日 0時) (レス) @page9 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます…！ (2021年8月26日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
