▼そんな約束 ページ8
リュゲル「……」
A「あ、やっぱリュゲルもいたのか」
ガンダレスがいるならもしかして、と振り返ったら、案の定そこにはリュゲルが立っていた。
ただ、心做しか表情がなんだか不機嫌そう。
地球人に負けてまだグレているんだろうか。
とりあえず話し掛けてみるけど、やっぱり機嫌は直らない。
つーかコイツ、なんか和人睨んでね……?
A「いつまでへそ曲げてんだよ?
さっきまで笑顔で私達に協力してくれてたのにさ」
リュゲル「ま、曲げてなんかない!
そもそも俺のへそは曲がってなんかないぞ!」
皆帆「いや、そのままの意味ではないけれど……」
明らか機嫌悪いのに、断固として認めないリュゲル。
しかも和人に指摘されたから更に機嫌が悪くなったのか、そっぽ向いて黙っちゃうし。
……なんか、喧嘩中の子供見てる気分。
ガンダレス「ねぇ、A!コレ終わったら俺達の部屋に案内してやるよ!」
A「へ?なんで部屋なんか?」
ガンダレス「Aはもう俺達の妹だから、ファラム・オービアスに残るんだろ?
だから迷子にならないようにな!」
A「……あー……」
嬉々として話すガンダレスの話から、今の今まで忘れていた事を思い出してしまう。
そうだった、私……ファラム・オービアスに残るって言っちゃったんだった。
傍で聞いていた和人も途端に口を閉ざし、そっと私の方を見遣る。
その反応が思ってたよりも薄いから、やっぱりコイツ、リュゲルから話聞いてたんだな。
私も思わず首に手を当てて、ガンダレスから目をそらす。
そうしたらガンダレスは「どうした?」と首を傾げて私の顔を覗き込んだ。
皆帆「…A」
A「……えっと、和人。その……ホント、あの……ごめん。いや、じゃなくって……その……」
……こういう時、なんて言えばいいんだろう。
上手く言葉が出なくって、私は視線を落として考える。
正直、地球に帰りたい。
でも約束してしまったっていう罪悪感がその言葉を塞き止める。
それにガンダレスがスゴいキラキラして目で私を見るんだ。余計言いにくい。
コイツらには良くしてもらったし、更に言いにくい。
そんな私を察してくれたのだろうか。
ふとリュゲルは1つ溜息を吐くと、素っ気なく呟いた。
リュゲル「……そんな約束、した覚えはないな」
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