到着なんだ ページ33
ようやく駅に着くと、スマホの地図を見ながら目的地である水族館へと向かった。
とは言ってもほとんどそこら辺は古城任せだ。
だって古城が行きたいって言ってたから。
古城も地図は読めるヤツだからな。
迷子にもならずに無事、目的地の水族館に辿り着いた。
その水族館は前に来た時と違い、ちゃんとした水族館だった。
まさかホーリーロードスタジアムの近くにこんな水族館があるとは思わなかったので、思わず俺は感嘆の声を上げた。
「おー……こんなとこに水族館あったんだな」
「最近出来たみたいです。
さぁ、いっぱい食べましょう不動さん」
「……せめて魚を見てくれないか?」
さっきゲロ甘ココアを飲み干したばかりだと言うのに
古城はそんな事を言いながら受付へと向かった。
俺はその後を呆れながらついて行く。
……ちゃんとデートになるのか、ちょっと心配になって来たわ。
どうしよう、たこ焼き買って「もういいです、帰りましょう」とか言われたら。
−−−
チケットを2人分購入し、中に入るとまず小さめの魚達が出迎えてくれた。
色とりどりの様々な小魚達が悠々と水槽の中を泳ぎ回る姿は見ていて癒される。
こういう魚はダイバーでもない限りなかなかお目にかかれるものでもないだろうしな。
……ただ、人が多いな。
まぁ、そりゃ休日だろうし人も来るだろうけど。
そのせいで水槽がよく見えない所もあったのはちょっと残念。
特に最前列は小さな子供達が占領してるので、尚更近寄り難い。
こりゃ、イルカショーとやらはどうなる事やら……
最前列の席、取れるだろうか。
「思ってたより人が多いですね、不動さん」
「おー、そうだな。まぁ、仕方ないだろ」
「そのせいで水槽がよく見えません」
「まぁ、お前は俺と違って外見も中身もチビだもんな」
「じゃあ不動さん、抱っこして下さい」
「馬鹿野郎」
今日はあんまりふざけないなと思って油断していたら、唐突に突っ込んで来やがった。
高校生にもなって両手を広げ、抱っこをせがむ古城の脳天にチョップを入れると、古城は痛そうに頭を押さえながら「…冗談ですのに」と呟く。
冗談だろうがなんだろうが、人前でそういう冗談を言うのはやめて頂きたい。
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*IJu*(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます…!楽しんで頂けたようで良かったです^^更新頑張りますー! (2021年11月4日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです!続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2021年11月3日 4時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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