何故か勝った気になったんだ ページ34
「しかし人が多いな……早いが先にメシ食っちまうか？」
古城の冗談にツッコミを入れつつ少し歩き回ってみたが、まぁ何処の水槽も人が多い事多い事。
休日なのだから仕方ないっちゃ仕方ないのかもしれないが……来る時間帯も悪かったのだろうか。
幸い、今の時間的には昼には早いと思うから、多少は空いているはずだ。
寧ろ、メシ食って戻ってくれば丁度昼食いに行く連中と入れ違いになって今より空くかもしれないし。
そう考えて俺は提案してみると、古城は少し考えるような素振りを見せてから答えた。
「そうですね。お腹も空きましたし」
「…腹減るの早過ぎないか？」
「朝御飯、少なめでしたからね。
デートが楽しみ過ぎてご飯3杯しか食べれませんでした」
「十分だが？？」
朝っぱらからよく食ってんな、この胃袋ブラックホールは。
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いつもは何杯食ってんだ。
想像以上の彼女の食欲に呆れながらも、俺の提案に同意してくれたようなので、俺達はパンフレットを見ながらカフェのある階層を目指した。
−−−
予想通り、カフェ内はまだあまり人がおらず、疎らに人が席に座っている程度だった。
だから店前で並ぶ事もなければ、席を案内される事もなく、ある程度自由な席を選ぶ事が出来た。
「ここにしましょう、不動さん。
水槽が目の前ですよ、目の前」
入ってすぐ早足で席を取った古城。
その席は彼女の言うように水槽の目の前だった。
というのもこのカフェ、どうやらメインのデカい水槽の前にあるらしく、そこで泳ぐ魚達を眺めながら優雅なティータイムを楽しめるって事だ。
今こうして話している間にも、目の前をジンベエザメが通り過ぎ、古城にしては興奮した様子で眺めていた。
こうして見ると、最早ただの子供だ。
「……俺が注文してこようか？」
「いえ、私も行きます」
「いいよ、水槽見て待ってな。食いたいモン言え」
「いえ、私も行きます。不動さんと行きます」
「……あっそ」
水槽に釘付けになっていた古城だったが
俺が1人で注文しに行こうと思ったら、途端に踵を返してくっついて来た。
なんて調子のいいヤツだ、と呆れたが
そんなんで何故か勝った気になった俺も俺で大概だ。
何水槽の魚と張り合ってんだか。
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＊IJu＊(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます…！楽しんで頂けたようで良かったです^^更新頑張りますー！ (2021年11月4日 1時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2021年11月3日 4時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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