◇ラプンツェルとキドウ ページ3
「あのあのあの、キドウ!ありがとうね!」
会話が途切れ、ハルナの姿も見えなくなると
私はキドウの方に向き直り、お礼を言った。
でも急だったし、言葉が足りなかったのかな。
キドウは首を傾げて私の方を見遣った。
「どうした?藪から棒に」
「手術のお金の事!キドウが半分出してくれたんでしょう?そのお礼、まだ言ってなかったから」
「ああ…その事か」
今度はちゃんと伝えたら、キドウは思い出したように呟いて「こちらこそ、」と微笑んだ。
「サクマとゲンダを止めようとしてくれてありがとう。アレはそのほんのお礼だ」
「で、でも……私の手術費用って相当な額だってお父さんも言ってたよ?半分でも結構な大金だって…」
「命に比べれば安いものだ。父さんにもワケを話したら二つ返事で了承してくれたしな。
あとは俺が鬼道の名を継いで返して行けばいい」
「………ありがとう」
キドウはカッコイイなぁ。
そういう事をサラッと言っちゃえるんだから。
思わず改めてお礼を言ったら、キドウもゴーグルの奥で優しく笑ってくれたような気がした。
だけど、すぐに表情を曇らせるとキドウは1度視線を落として。
何か考えているのか、腕を組んで難しそうな顔をする。
私は首を傾げていると、不意にキドウは口を開いた。
「……不動について、どう思う?」
「……えっ?」
キドウからまさかの人の名前が飛び出て、私は思わず目を見張った。
ど、どう……どう思う、って……
……ど、どう言えば、いいの?
私、フドウの事どう思ってるか正直わからないの。
色んな感情がゴチャゴチャに混ざって、どれが正解かわからないから。
思わず私は言い淀んでしまう。
答え方がわからなくて、苦し紛れに私は逆に質問で返した。
「……キドウは、どう思ってる?」
「俺は……俺は、アイツが代表に選ばれたのに納得がいかない。
サッカーはチームプレイだ。なのにアイツは周りの事は一切考えていない。自分の事だけを考えて……
それなのに佐久間が選ばれず、わざわざアイツが選ばれた理由がわからない……」
悔しそうに組んだ腕に力を込めながら、キドウは話す。
やっぱり、サクマがいなかったのって…代表、落ちてたからなんだ……
折角キドウと一緒にサッカーしてる所をまた見れると思ったんだけどな……
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*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)
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