△リボンが95こ▽ ページ49
それ以降、彼女は何かと真名部にくっつくようになった。
精神年齢が子供なのもあり、元々甘えん坊な所があったのだろう。
だが今までは真名部に嫌われないようにと振舞っていたので、遠慮していたのかもしれない。
しかし真名部自身が自分の事を嫌いではないとわかった今、もう遠慮などしなくなったのだろう。
事ある毎にくっついて、事ある毎に撫でる事を要求するようになった。
ソレはまるで甘えん坊の子犬のようで
真名部の心臓は休む事を許されなかった。
とはいえ真名部自身も口では『離れろ』と言いつつも満更でもない部分もあり、強くは断れず流されるままだった。
その日はそんな1日を過ごし、真名部達は就寝した。
結局その日も彼女の母親は帰って来なかった。
その次の日もその次の日も、真名部とAと同じような日常を過ごした。
朝起きて、朝食を食べ、時々テレビを見て、それからAと一緒に何かをやって。
Aに勉強を教え、また一緒に何かをして、夕飯を食べて、寝る。
その間、彼女の母親は帰って来る気配すらなく
気付けば誘拐されて1週間が過ぎようとしていた。
「(そろそろ買っていたパンも尽きそうですね…)」
前にAと買い物に行った時に買ったパンが朝食、夕食、時々小腹が空いた時にと消費している内にとうとう無くなりそうになっていた。
当然、真名部達にとっての食べ物はコレしかない。
冷蔵庫に中身があれば或いはまだあるのかもしれないが、真名部はあまり期待していなかったし、なにより冷蔵庫の中身はAの母親の物で、手を出したら怒られる…と、Aが言っていた。
流石に食べ物が無くなるのは死活問題だ。
また買いに行くしかない。
しかし真名部にとっての買い物は正直憂鬱だった。
何せAが子供に負けないぐらいのはしゃぎっぷりを見せ、目を離すとすぐに何処かへ行ってしまうのだから。
かと言って買いに行かないワケにもないので、真名部は早くも溜息を吐くと、残りのパンを戸棚に隠してAのいるリビングへと戻った。
「おかえり、まなべ！おやつの時間してたの？」
「いえ……ただ、食料の確認をしていました」
「しょくりょう…？ご飯の事？」
「ええ。もう大分無くなって来ていますので、明日また買い物に出ようと思ったのですが……」
真名部が言い終わらない内にAの瞳がｷﾗｷﾗと輝き始める。
その表情に真名部は1つ溜息を吐くと、少しの間を置いてから「…行きますか」と呟いた。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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