△リボンが94こ▽ ページ48
「だっ…！だから！嫌いじゃないってだけでっ…！べ、別に好きとかじゃないんですからねっ！！勘違いしないで下さいっ！」
急に彼女に抱き着かれ、真名部は顔から火が出る程真っ赤になりながらも、必死に素直じゃない言葉を付け足した。
しかしAは聞いているのかいないのか、ﾆｺﾆｺと本当に嬉しそうに笑いながら猫のように真名部の頬に顔を擦り寄せた。
マシュマロのような柔らかい肌が触れ、真名部は一瞬息をするのを忘れてしまう。
そんな真名部を置いて、Aは楽しそうに笑った。
「でも嫌いの反対は好き、でしょ？
嫌いじゃないって事は好きって事なんじゃないの？」
「そっ……そ、それはっ……！」
「でもまなべに嫌いって言われなくて良かった！
私はまなべの事大好きだから！まなべに嫌われたら悲しくて泣いちゃってたかも！」
「へっ…？！」
そんな言葉も加えられ、真名部の思考はパンク寸前に追いやられた。
彼女の言葉がぐるぐると頭を巡る。
『大好き』とこんなにもストレートに言われると返って調子が狂わされるのか。
暫く真名部はその事ばかりが頭を巡って、彼女にされるがままだった。
だが頭を撫でられ始めた所で我に返ると、改めて彼女に離れるよう言ってやる。
するとAは名残惜しそうにしながらも素直に真名部から離れ、でも瞳は嬉しそうに細められたままで、まだ喜びが露になっていた。
ｺﾎﾝ、真名部が1つ咳払いをする。
そうして彼女に向き直ると、真名部は投げ出された計算ドリルを彼女に差し出した。
「とっ……とりあえず、このページの計算を終わらせて下さい。コレが終わったら、一緒にまた遊びましょう」
「終わったら頭撫でてくれる？」
「なっ……え、撫でる？」
「この本の問題ね、いっぱい頭使うんだよ！
頭使うとすっごく疲れちゃうから、全部出来たら頭撫でてくれる？」
「……………理屈はわかりませんが、いいでしょう。
ちゃんと全部終わらせたら、撫でてあげます」
「わぁい！！」
突拍子もない彼女のお願いに真名部は目をそらしながらも頷くと、Aはまた嬉しそうに笑って真名部からドリルを受け取った。
そうしてまた真剣な顔をして両手の指を使って解き始め、真名部はその横顔を見て1つ溜息を吐いた。
それでもまだ暫くは真名部の喧しい程鳴り響く鼓動は止まらず、ただ1人悶々とAの言葉を頭の中で反芻させていた。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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