△リボンが86こ▽ ページ40
少し気にはなったものの、彼女に言われた事もあるし、何より不気味に思った真名部は素早く着替えると隣の部屋から逃げるように下に降りて部屋に戻った。
部屋に入ると、そこには真新しい絵本を定位置であるソファのすぐ下で読んでいたAがおり
彼女は顔を上げると「おかえり！」と無邪気に笑う。
その服は真名部がいない間に着替えたのか、出掛けた時とは違う、いつもの縫い目だらけの服だった。
「その服も素敵だね、まなべ！カッコイイよ！」
「そっ…そうですか？」
「うん！男の子みたいでカッコイイ！」
「そ……そう、ですか……」
素直な彼女に褒められ、真名部は一瞬ﾄﾞｷﾘとしたが、続けられた言葉に肩を落とす。
男の子みたい……やはり彼女にとって自分は男として見られていないのだろうか。
彼女なりの褒め言葉なのだろうが、真名部は内心複雑な気持ちに陥り、そっと視線を床に落とした。
その間にA、見ていた絵本を閉じてソファの上に置くと、ビニール袋に入っていたバターロールを取り出して真名部に見せつけた。
「ね、まなべ！お腹空いてない？ご飯食べよ！」
「ああ…はい。食べましょうか」
パンを出されて�爐竿哭瓩噺世錣譴襪里望�し違和感を感じつつも真名部は頷くと、彼女は嬉しそうに笑ってパンの封を破こうとする。
だがそのやり方がどう考えても次の瞬間には中身ごと袋が弾け飛ぶ未来しか見えず、真名部は慌てて彼女に代わると、慣れた様子でパンを封を破った。
中からパンを1つ取り、Aに渡す。
するとAはｷｮﾄﾝとした顔をしてからパンを指差し真名部に言った。
「これ、まなべのパンだよ？私のじゃない」
「同じ物を買ったんですから。僕のもアナタのも同じですよ」
「でもこれ、まなべの……」
「じゃあ、僕のを分けてあげますよ。
それならこのパンを受け取って頂けますか？」
「……うん！」
真名部がそう言うとAはようやく頷いて真名部からパンを受け取った。
その事に真名部は内心ﾎｯとしつつ、自分用にもパンを1つ取り出した。
いつもならこの後オーブントースターに入れて中のバターを溶かして食べるのだが、この家の物を使うのは流石に気が引けた。
それでも久々にまともな物を口にした気がして
真名部は頬張りながら思わず笑みを浮かべると、隣のAも目をｷﾗｷﾗさせながら、もう半分程口にしていた。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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