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△リボンが72こ▽ ページ26

あの後、Aは自分の持っていた荷物を一旦真名部に預け、本当に靴を見に行ってしまった。

最初は確かに真名部の目が行き届く近場の靴売場を見て回っていた様だが、今では彼女の姿は随分と小さく、ほとんど見えなくなっていた。


時々、売り場の棚の上からピョコピョコと彼女の跳ねた髪の毛が揺れる。
彼女の身長は平均女性の身長よりやや高めだから、そのおかげで見つけやすくはなっているも、そろそろ距離的に真名部が許容出来なくなっていた。



「(って言うか…可笑しいですよね。
普通、心配するなら逆だと思うのですが」



あんまりにも無防備で無策な彼女に思わず真名部が頭を抱える。

きっとこのままデパートを出て逃げてしまえば、確実にAはすぐには気付かないだろう。
その間に何処まで距離を離せるかは真名部の体力次第だが……幸いか、この付近にバス停があったのを真名部は確認していた。

最悪、そこに助けを求めればそのまま助けてくれるだろうか。


だが真名部はやはりそうしなかった。

ただ律儀に彼女の姿を必死に目で追いながら、自分の体力を回復させていた。
こんな姿を世間が知ったら、一体自分はどう言われるのだろうか。



「……そろそろ、彼女の所に行きますか」



大分距離も離れて来て、いよいよ真名部が落ち着かなくなった。
体力もある程度回復した所で、真名部は荷物を全て持つと離れた距離にいる彼女の元へ向かった。


Aはやけにヒールの高い靴の売り場にいたようで
彼女は真名部が来ると振り返って「じんくん!」と笑った。

不意のその笑顔に真名部は胸を弾ませながらも、平然を装い「まだ迷ってるんですか?」と尋ねると、Aは頷いて再び靴と向き合った。



「ママみたいな靴がいーなーって思ってるんだけど、どれがいいのかなーって。私、こういうの履いた事ないから」

「ママみたいな靴……」



その話を聞いて、真名部の脳裏に玄関前のヒールの高い靴が過ぎる。

やはりあの靴は彼女の母親の物だったようだ。
だとすると玄関前にあの靴が置いてあったのは何故だろう?


普通、履かない靴は靴箱に入れるのではないだろうか。
それとも、それすら面倒くさがる人だったのだろうか。

しかし彼女の話振りから、彼女の母親は普段からああいう靴を履いているのだろう。
だとしたらあの靴は普段履いている靴なのではないだろうか?


そう考えたらやはり、あそこにあるのが不自然に思えた。

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*IJu*(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜! (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月13日 1時

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