△リボンが49こ▽ ページ3
「い、いえっ…!僕はシャワーだけで大丈夫です…!」
「本当…?お風呂じゃなくていいの?
私、お風呂の沸かし方はちゃんと知ってるよ!」
「お、お風呂はその…また今度にします。
今はとにかく、早く入りたいと言うか…」
「そっかぁ…」
Aはお風呂を勧めるも、真名部はシャワーの方を選ぶと、彼女は何処か残念そうな反応をしてから「お風呂はこっちだよ!」と真名部の手を引いた。
不意に触れる彼女の体温。
やはり彼女の手も自分と同じぐらいにあたたかかく、それでいて柔らかかった。
真名部は慣れない体温に耳まで真っ赤にしながらも彼女に案内され、バスルームを目指す。
とは言っても部屋のキッチンの奥にバスルームがあったようで、手を引かれずとも行けるような近さだった。
「はい!此処がお風呂場!
シャワーの下の蛇口は壊れてお水しか出ないから気を付けてね!
あとね、石鹸は使っていいけど、シャンプーとかはママのだから使ったら怒られちゃうかも……」
バスルームの前に着くと、彼女はペラペラと中での注意事項を教えてくれた。
どうやら口振りから察するにシャンプーなども彼女が使用する事は許されていなかったようだ。
ただ、真名部はここまでの話でなんとなく予想が出来ていたのでそこまで顔に出る事はなく、ただただ彼女を気の毒に思った。
「あ!でも1プッシュぐらいならバレないと思うよ!
もしも使いたかったら、ちょっとだけ使ってもいいよ!」
「は、はい…わかりました」
「タオルはあとでこの前に置いとくね!
着替えは……どうする?私のコレ着る?」
「いっ、いいえっ!こ、この服をそのまま着るのでっ…!お気遣いありがとうございます!」
話しながら自分の着ていた服を指し示すAに真名部は慌てて首を横に振ると、ようやく彼女は脱衣場から出て行った。
扉が閉められ、彼女が離れるのを足音で確認すると
真名部はふぅ、とその場で息をつき、着ていた制服のボタンを外していった。
「(…制服にも臭い、付いてしまっているんでしょうか…)」
上着を脱いでから真名部はそっとその制服に鼻を寄せると、案の定今までいた汚部屋の臭いがした。
でも流石に洗濯機まで借りるのは……と、シャワーをせがんだ真名部は思い留まる。
そもそも洗濯をしたところで部屋があのままでは臭いは変わらないのだが。
真名部は溜息を吐いてから、上着を丁寧に洗濯機の上に畳んだ状態で置き、そのままシャツのボタンにも手をかけた。
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*IJu*(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜! (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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