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△リボンが57こ▽ ページ11

「お金は…持ちましたか?」

「うん!あるよ!ママのだけど!」

「家の鍵は持ちましたか?」

「うん!あるよ!玄関前に置きっぱのヤツ!」

「鍵はきちんとポケットに入れて無くさないようにして下さいね?お金も間違っても落としたり……あぁ、やっぱり僕が持っていましょうか?」

「だいじょーぶ!上着のポケットの中に全部入れとくから!」

「(何も大丈夫じゃないのですが…)」



着替えも済ませ、必要最低限の物も持ち、不安を募らせつつも2人は玄関に向かった。

そこで真名部は彼女の履く靴が気になった。
もしかしたら彼女は家に閉じ込められている可能性が考えられるからだ。


案の定、出て来たのは彼女の足より一回り小さい、子供っぽいデザインの靴だった。

彼女の足は元々小さいようで、自分より身長は高いクセに足は真名部より随分と小さかった。


そんな彼女の足より更に小さい靴だ。
当然、履こうにも踵が飛び出して、踏んでしまっている状態になってしまう。



「うーん…?足入らない……」

「む、無理して履く事もないのでは…?
返って足を痛めてしまいますよ」

「そーなの?まなべは何でも知ってるんだね!」

「……とりあえず、踵は仕方ないのでこのままにしましょう」



気を使っただけなのに何故だか褒められてしまい、真名部は満更も無さそうな顔をしてそう続ける。

Aは素直にそれに従い、踵を潰したまま立ち上がると、真名部は履きなれたローファーに足を通した。


実に4日振りの靴だ。
靴下は履いていないので違和感しかないが、今は仕方がない。

トントンと爪先で地面を叩いて真名部も立ち上がると
もう既にAは玄関の外に出ていて、扉を開けながら真名部を待っていた。



「(………外だ)」



当たり前だが、玄関の向こうは外の世界だった。

天気は曇り気味の晴れ、正面には別の家の塀が見え、アスファルトの地面が広がる。


実に4日振りの、望んでいた外。

真名部が出たくて堪らなかった外が、今目の前にある。


ここで真名部の脳裏には一瞬、自分が弾かれるように走る光景が浮かんだ。

そのまま無我夢中で走り続ければ、その内誰かが自分を見つけてくれるかもしれない。
例えそれで彼女に捕まっても、騒ぎ立てれば誰かが通報して、自分を助けてくれるかもしれない。



じとっと、真名部の握り締められた拳が湿る。

ここで第一の逃亡チャンスが訪れていた。

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*IJu*(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜! (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月13日 1時

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