△リボンが48こ▽ ページ2
「私のママね、お風呂に入る時は決まって不機嫌だったの」
お風呂に入ろうとすると怯えた顔をする彼女に
その理由を尋ねると、Aは笑顔で答えてくれた。
彼女がそう言うと、真名部の脳裏に嫌な予感が掠めた。
今の今までの彼女の話から、彼女の母親はまともな人間ではないと推測されるからだ。
どうか自分の予想は外れてほしい。
しかしそれは続けられた彼女の言葉によって無慈悲にも打ち砕かれた。
「不機嫌な時のママってね、すぐに怒っちゃうしなんでも待てないの。
帰って来てすぐお風呂沸かすけれど、その間ずっと私にイライラをぶつけて来るの……」
「…い、イライラを……ぶつける、って……？」
「殴ったり、蹴ったりとか。他にも色々あるけど…
酷い時はお風呂場に連れてって、冷たいお水の中に顔突っ込まれるの」
「……………」
真名部は絶句した。
そんな酷い母親がいるものかと、言葉が出なかった。
真名部は確信した。
いや、今更認めた。
彼女の母親は完全に�犢��瓩澄�
この家は世にいう虐待が行われていたのだ。
だから彼女は自分が『シャワーに入りたい』と申し出た時、怯えたんだろう。
お風呂にも入るとなると、沸くまでの間に暴行されるんだと思っていたから。
彼女の服の隙間から見える包帯や右頬に貼られたガーゼはそのせいだろう。
いや、もしかしたら彼女は毎日のように暴行を受けていたのかもしれない。
そう考えると彼女の体の傷は相当だろう。
殴る、蹴る、水に沈める。
他にも色々と言っていたが、その事についてはこれ以上想像したくない。
今では笑顔で話しているが、その時の彼女はきっと先程のように終始怯えていただろう。
痛がって、苦しがって。
もしかしたら助けを求めたりもしていたのかもしれない。
そんな彼女の姿が脳裏に浮かび、真名部は思わず首を横に振って払った。
「シャワーの時は全然そんな事無いんだけどね！
ママが言うには、ストレスあるときはシャワーよりお風呂の方がいいんだって！」
「そ…そう、ですか……」
彼女の話に真名部は言葉が出ず、頷く事しか出来なかった。
しかし当の本人はﾆｺﾆｺ笑いながら「お風呂にも入る？」と首を傾げた。
そんな話を聞いてしまったら到底お風呂にも入る気になどならず、真名部はﾌﾞﾝﾌﾞﾝ首を横に振った。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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