△リボンが36こ▽ ページ39
だがその日、Aの母親が帰って来る事はなかった。
今日が帰って来るはずだと、Aが確かに言っていたと言うのに。
玄関が開くどころか、人の気配さえ全くせず
前の日と変わらない、彼女と2人だけで過ごしていた。
夕方までは怯えていた真名部だったが
時刻が9時を過ぎた辺りで「可笑しい」と思い
彼がいつも眠る時刻になっても帰る気配は無く、真名部は1人首を捻った。
深夜に帰って来るのだろうか…？
確かに�爐修ΔいΝ畛纏�の人なら有り得なくは無いが…そうなると終電とかはどうなるのだろう？
近場で働いているのなら分かるが、交通機関を使用しないと通えない場所ならそうもいかない。
窓にテープが貼ってあるから、家の周りの景色はわからないが…恐らくこの辺は住宅地。
コンビニなど24時間営業の店もあるのだろうし
仮にそこで働いているとしても、何日も連続で、しかも家に帰らず勤務するだなんて、Aの話を聞いているところでは可能性は低い。
「(でも泊まり込みで働く職場もあるでしょうし、たまたまソレが長引いてる場合も……しかし、彼女の話を聞くところだと、彼女の母親はまともな職につけているとは思えないのですが……)」
「…まなべ？」
そんな事を考えていると、不意に隣で絵本を読んでいたAが声を掛けた。
一瞬ﾄﾞｷﾘとしたが真名部はすぐに返事を返すと
Aは不思議そうな顔をしてから真名部の顔を覗き込み、真名部は一瞬息が詰まった。
「まなべ、今日は夜更かしさんだね？
全然眠そうじゃないね」
「そっ…そう、ですね……
今日は、その…眠気が無いと言うか…」
いつもならこの時間は真名部はもうとっくに眠っていた。
しかし眠っていないのは、眠気は無いのは勿論の事だが、きっと彼女の母親の事が気掛かりなのだろう。
帰って来るのは勿論怖い。
何をされるかわからないから。
でも帰って来ないなら来ないで、また怖い。
自分がいつ帰れるかわからないから。
律儀な真名部はまだ信じていた。
彼女の母親が帰って来たら、自分を返してくれるという言葉を。
頭では『そんな約束、守られるはずがない』とわかっていても、心のどこかではそう思い、そして待ち望んでいる。
矛盾する気持ちにやきもきしている真名部の気も知らないAは「そっか」とあっさり答えると子供のような笑みを浮かべた。
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Rai - ＊IJu＊さん» イベント参加ありがとうございます〜! 実は私もその作品「 箱庭少女の孤高哀歌」も読んでました正に好きで、これからの作品ともに頑張って下さい！ (2020年8月25日 18時) (
レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» ありがとうございます〜！では参加させて頂きますね〜！ (2020年8月25日 18時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - ＊IJu＊さん» その他大丈夫です！後そのまま画面、ペースト、通常検索など出て来ると思います！ (2020年8月25日 17時) (レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» ですが、Raiさんがもしよろしければ、他にもイナGOの作品を書いているので、そちらの方でイベントに参加させて頂いても宜しいでしょうか？ (2020年8月25日 15時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» 初めまして、コメントありがとうございます！折角のお誘い感謝致しますが、この小説は内容があまり明るくない上に人を選ぶ作品だと思っておりますので、この作品での参加はお断りさせて頂きます…… (2020年8月25日 15時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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