失恋話【メリオダス】 ページ2
「フラれた……」
ダンっとエールの入ったジョッキを乱暴に置いて、机に伏せる少女、A。
顔は真っ赤で既に酔い潰れている様子だ。
「はいはい、もう5回目」
そんな彼女の愚痴をカウンター越しに俺、メリオダスは皿を吹きながら彼女の失恋話に耳を傾ける。
「バンにフラれた……
よりによってあのバンにっ……！」
「それは3回目だな」
「せっかく人が告ってやったのに……」
「それもさっき聞いた」
だがAはさっきから同じような事を何度も何度も繰り返し俺に聞かせて「エールくれ」とジョッキを差し出す。
流石に「これぐらいにしようぜ？」と窘めたが、本人は聞く耳を持たない。
「大体さーあ！好きな人がいるとか聞いてないんですケド！初耳なんですケド！！
あーー、もう！あんな奴なんてさっさとくたばればいいんだからっ！！」
Aは机に両拳を振り下ろしながらそう叫ぶと
急に机に伏せて、「うぅぅ…」と泣き真似を始める。
激しいな、温度差が。
「バンは諦めて、次の奴見つければいいじゃねーか？
イイ奴紹介してやるぜ？」
「イイ奴ゥ？」
一通り皿を拭き終え、片してからAにそう言ってみると
彼女は訝しげに眉を顰めながら食いついてきた。
「そんな奴いるのー？
この私と釣り合うイイ男がーー？」
「ああ、いるぜ？
なんなら今からでも紹介してやるぞ？」
「へぇー…メリオダスお墨付きかぁー…」
Aは少しの間考えるような素振りをして、再び机に伏せると
「…いらない」
と呟いた。
「…何で？」
「もしソイツがイイ奴だったとしてもー…
…きっとバンには勝てないからー…」
「わかんねぇじゃん？
もしかしたら変わるかも…」
「だったらこんな気持ちになってないもん」
「…」
Aは猫のように体を伸ばすと「寝るわ〜おやすみ〜」と言って顔を伏せてしまった。
少しすると彼女の寝息が聞こえ
俺は彼女の頭をそっと撫でてやる。
…何だよ、せっかく紹介してやろうと思ったのに。
とびきりカッコよくて、とびきりセクハラ好きで
とびきりAの事を想ってる奴を、な。
それなのに…Aはそれでもバンを選ぶ。
いつだってそうだ。
Aはバンにだけはとびきり優しい。
俺には「セクハラするから近付くな！」って言うクセに。
「…俺の失恋話も少しは聞けっての」
彼女の頭を撫でながらそう悪態をついてみるが
きっと届いてないんだろーな
俺の想い。
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紀鏡 - あれ…好きなもの【風丸】の肉のやつになんか察しがつくぞ…ちょっ？！佐久間？生きてる？！ (2017年7月3日 16時) (
レス) id: 4f8c5bdb75 (このIDを非表示/違反報告)
空月 - 好きなもの【風丸】ってやつの肉ってまさか佐久間の((( (2017年2月6日 14時) (レス) id: 9ea75f5c5e (このIDを非表示/違反報告)
areru - 面白かったです。 またいつかでいいのでijuさんのアフロディ楽しみにしています。 (2016年5月4日 21時) (レス) id: 8f172b8017 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - ＊IJu＊さん» わかりましたれありがとうございます♪ (2016年1月24日 17時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - リオさん» リクエストありがとうございます！！ お話がまとまり次第、この短編集の続編に更新しますので少々お待ち下さい！ (2016年1月24日 16時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年9月10日 13時
