◇ラプンツェルの特訓 ページ50
「…新しい練習の方はもういいの?」
「まぁ、簡単なルール説明すりゃあとは向こうで勝手にやってるさ。アイツらはお前と違ってサッカー出来る方だからな」
やっぱり私の事を小馬鹿にしてくるフドウ。
そんな事言われてムカッとしちゃうけど、顔に出したらまた馬鹿にされそうだから、なるべく顔には出さないようにする。
膝に顔を埋めながらも何とか言い返そうとしたけれど
その前に「そんな事より、」とフドウは話を区切り、私と向き直った。
「特訓、始めるぞ」
「特訓…?」
「そーそー、特訓。と言うより……基礎練?」
「……きそれん?」
「…基礎練習。つまり、
「……」
ヤケに狃蘓桓垳け瓩魘調しながら言われたので
私は思わず眉を顰めた。
悔しいけれど言い返せない。
だって本当に私は初心者だもん。
でもやっぱりその言い方は嫌な言い方だ。
だからフドウをじっと睨みつけているけれど、彼は気付いていないのか。
また慣れた様子でボールを足で扱い、自分の足元に寄せると「ほら、やるぞ」と手招き。
私は渋々ベンチから立ち上がると、フドウに言われてまずはパス練習から始めた。
−−−
「やっ!」
「強く蹴り過ぎだ。グラウンドからボール出すつもりか?」
「えいっ!」
「今度は弱過ぎる。そんなコロコロしたボール、奪って下さいって言ってるようなモンだぜ」
「せいっ!」
「ばーか!何処に飛ばしてんだよ!
パスする相手の位置ちゃんと確認して打てよ!」
まだ最初の練習だって言うのに、パスする度にフドウから意地悪な言葉が放たれる。
私は私で一生懸命やっているつもりだけれど、まだ始めたばかりだからどうにも上手く蹴れないらしい。
私でも驚く軌道に曲がったり、遠くに行ったり、逆に行かなかったり。
その日もパスは1回も上手く繋がらず、休憩に入ってしまった。
「10分後にドリブルの練習だ。
ちゃんと休めよ、真っ黒ノロ助」
「ち、ちゃんと名前で呼んでってば!!」
渡されたドリンクとタオルを手に私は反射的にそう返して、ドリンクに口を付ける。
その間にフドウはグラウンドの縁に立って、グラウンドで練習している皆をじっと眺め始めた。
目線はフドウを睨むように追い掛けていたから、必然的に私もフドウの視線の向こう、グラウンド内での練習の風景に視線を移し、途端に目を見開いた。
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*IJu*(プロフ) - 桜吹雪さん» コメントありがとうございます〜!箱庭少女の方でもコメントありがとうです^^桜吹雪さんの好みに刺さったようで良かったです()ノロノロナメクジ更新なのでのんびり待っていてくれると嬉しいです…すみませんorz 桜吹雪さんこそ風邪など引かないように!更新頑張ります! (2019年10月30日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪(プロフ) - コメント失礼します。他作品でもコメントさせて頂いたものです。いやもう.....神様ですかっ!?()好みドンピシャです!毎朝、更新されてないかつい確認してしまいます(笑)最近は寒いので、お体に気を付けて頑張ってください!応援してます! (2019年10月29日 20時) (レス) id: 82aa4d9473 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます!一気読みする程夢中になって頂けて嬉しいです( ´ ▽ ` )影山怖いですもんね、注意してね……(他人事)これからも更新頑張ります〜! (2019年10月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - *IJu*さん» 作者様の文才や世界観に引き込まれ、つい一気読みしてしまいました!黒井ちゃん、影山には気をつけて……!!(オイ←)これからも頑張って下さい! (2019年9月27日 16時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 神田・スカーレットさん» コメントありがとうございます!真・帝国の不動くんは良いぞ……()オリオンの不動くんは真・帝国のようなトゲトゲイガイガが丸くなった感じですよね、それはそれは可愛いと思います( ˇωˇ )木の上で寝てた時笑いましたw (2019年9月17日 13時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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