【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルの朝 ページ29

「起きろ、ほら。起きろったら」



ﾕｻﾕｻと身体を揺すぶられる感覚に、私はまだ重い瞼を持ち上げる。


知らない、女の人の声だ……新しい看護師さんだろうか。


それにしても凄く眠い…今、何時なんだろう。

朝食の時間にしたって、いつもなら看護師さんが来る前に私が起きているのに……



「ったく、いつまで寝ぼけてんだか……」



まだぼんやりとした視界の中、女の人がそう呟く。


新しい看護師さん、凄く言葉が乱暴……
それに着ている服もいつもの看護師さんと違う。

看護師さん達はみんな白い服なのに
この人は暗い緑色の服着てる。


それに部屋の中もなんだか…いつもと違うような。

というか、ヤケにベッドが低いと言うか……



「とりあえず、アタシは起こそうとしたんだからね。
起きなかったアンタが悪い。じゃあね」



女の人は口早にそう言うと、ｽﾀｽﾀと部屋を出て行ってしまった。

乱暴に扉を閉める音が聞こえた後も私はまだ寝ぼけたまま、少しの間ﾎﾞｰｯとベッドに寝転んだままだった。


やっと視界がまともに映って、目の前の景色が明らかに病院内じゃない事に気付くと
途端に昨日の出来事がﾌﾞﾜｯと脳裏に過ぎり、私は思わず勢い良く起き上がった。



「いっ……たぁ〜………」



だが寝ていたベッドの天井が低過ぎたせいで、起き上がった時に天井に頭をぶつけてしまい、私は涙目になりながら頭を押さえた。

でもこの痛みのおかげで頭も覚醒し
私は今置かれている現状を理解した。



私、そう言えば……病院から出たんだった。

フドウが私にエイリア石をくれて、その代わり私はフドウの所に行かなくちゃいけなくて。

それで、私はフドウについて行ったら潜水艦が出て来て
私達はソレに乗り込んで、それでこの部屋に案内されて。
女の子と一緒の部屋になったから挨拶しようとしたらその子寝ちゃったから、私もそのままこのベッドに寝たんだった。


さっき、私を起こしてくれた人は、私と一緒の部屋に住んでるルームメイトの人だ。

でもちゃんと起きた時にはもうその人はいなくなっていて、私は慌てて天井に頭をぶつけないようにベッドから起き上がった。



「…？」



その時、��ﾊﾟｻｯ�瓩隼笋凌搬里両紊望茲辰討い織皀里�床に落ち、私はソレを拾い上げる。


ソレは暗い緑色の服だった。

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