【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルは待つ ページ17

その日は1日中、私は落ち着きが無かったと思う。


あの人に会った後、エイリア石は枕の下に隠して
そのままいつも通りに過ごした。

でもきっといつも通りじゃなくって変だったんだろうね。
何度か看護師さん達に「どうしたの？」とか「大丈夫？」っていっぱい聞かれちゃった。



でもそうだってなるよ。あんな約束したんだもん。

多分、あの約束は本来ならしてはいけない約束だと思うから。


それなのに、了承しちゃったんだから、今の私はとても悪い子なんだ。

ああ、�爐△凌傭��瓩砲海鵑併�知られたらきっと………



「………そろそろ、なのかな」



……そんな感じで1日、不自然にしながらもなんとかいつも通りに過ごしていたら、空の色は暗くなり、やがて就寝時間になってしまった。


担当の看護師さんにいつも通り『おやすみなさい』って言った後、一応病院服から私服に着替えた。

布団を被って今はバレないように寝たフリしてるけれど……いつまで経っても、あの人は迎えに来ない。



ﾁｸﾀｸと、時計の音だけが病室に響く。


いつもならこの時間はもう眠っていても可笑しくないのに、今の私は緊張からか不思議と目が冴えていた。

暗い病室はやっぱり不気味……
とは言っても廊下は電気が付いてるけれど。


あの怖い人はいつ来るんだろう…
それとも、もう来ていたりして。

来ない…なんて事はないよね。
だって今日の夜来るって、ちゃんと言ってたし。エイリア石だって私にくれたし。


枕元に手を忍ばせれば、ちゃんとそこには紫色のエイリア石がある。

あの怖い人との約束が果たされた証。
夢じゃない確かな証拠。



……就寝時間になったばっかりだし、もう暫く待ってたら来るよね。

それまでじっとしてるのも暇だし、本でも読んでいようかな。


そう思った私はおもむろにベットから体を起こすと、傍にある戸棚を開き、中にある本を取ろうとした。



その時だった。



「……！」



ﾊﾞｻﾊﾞｻと、窓のすぐ側にある木が大きく揺れた。

私の心臓が大きく跳ね、驚きのあまり発作が起きそうになったけれど、咄嗟にエイリア石を胸元に持って行って両手で握りしめると、気分がｽｯと楽になった。


そうやって気分を落ち着かせている内に、外にいる�爐修凌有瓩�ｺﾝｺﾝと窓を軽く叩き、部屋の中を覗き込む。

私は大きく深呼吸すると窓の方へ歩み寄り
震える手でゆっくりと、窓を開けた。





「＿＿＿迎えに来たぜ、黒井チャン」

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