意地悪注意報【まふまふ】

注意報▼42 ページ42

自然と彼が、私の唇をなぞるから

ドキドキするけど、
触らないでほしいなんて思わなくて




彼にキスされるかも…っと思うくらい唇の距離が近くて


覚悟をした瞬間






「あー、保健室でイチャイチャするなんていけませんねぇ」




「！？」




ドSオーラ全開な声が保健室の扉が開く音と共に聞こえた





「…げっ…うらたさんじゃん」




「あれれ、まふくん？？何しようとしてたのかなぁ」




わざとらしく相川君にニヤニヤしながら聞くのは浦田さんだ。

隣にニコニコした坂田君もいる


私は身体をベッドから起こした





「なんでタイミング悪く入ってくるんですか？？うらたさん」



その言葉に目の前に見える相川君は言い返す

可愛い顔にシワできるからそんな顔するのやめて！相川君っ…






「いや〜さっき怪我しちゃったんだよ」



「絶対嘘だ」




「靴箱の木片が指に刺さっちゃって」



「どんくさ…」




そんな言い合いが目の前で繰り広げられて
ぽかんとしている私に、



「子供っぽいやろ」


なんていつのまに隣にいたのか、
坂田君がそういう



「結構仲よかったんですね」




「まあ、よく一緒に歌とか歌う仲やし」




坂田君は2人の様子をニコニコとしながら見ていた




「私つい最近相川君のこと知ったんですよね…」

相川君のことあんまり知らない。




「歌上手いんだ…」





聞いたことないからわからない。


相川君について知ってることなんてまだまだなくて




「ふーん、まふくんのこと知っとる俺らに嫉妬してるんか」





なんて隣から、わざとらしい声でそういう坂田君を少し見上げて



「うっ…好きな人のことなんてネットで調べてもでてこないし…」




浦田君とは違うのだ。





ネットで調べたって
相川君のことがたくさん載ってるわけじゃない






「あ、やば…」




私がまた1人モヤモヤしていると、坂田君がそういう




どうしたのかと彼を見れば




「そろそろおいとましないといかんな」




なんて言って、浦田さんの腕を引っ張って急いで保健室を出て行った






「はっ！？ちょ、坂田離せよ」


とバタバタしてる浦田さんは坂田君によって保健室から強制的に出て行くことになっていた。


あの2人、思ってたより仲良い。





そんな様子をクスクスと笑っていると







「随分と坂田と楽しそうに話すね」





「ひぇっ…」





なんでか、ドスの効いた低い声が

頭上から聞こえた。

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