意地悪な僕は嫌いですか？【黒子のバスケ・黒子テツヤ】

Don't bug me！：５ ページ6

貴方「あ、あの、黒子くん…」


部活が終わり、外は少し薄暗くなっていた。


着替え終わった部員たちが体育館を後にしていく。


貴方「さっきはごめんね…」


黒子「何がですか？」


貴方「え、えっと」


Aさんが目を泳がせる。


少し頬を赤くして。


貴方「さっきの…」


黒子「さっきのって何です？」


首を傾げて、わざと覚えていないふりをする。


にやけそうなのを必死にこらえた。


Aさんが言っているのは、

さっきの、保健室の前でのことだろう。


貴方「ほ、保健室の、前で…」


黒子「前で、なんです？」


.


どうしてでしょう。

Aさんを見ていると、イジメたくなる…。


.


顔を赤くして焦っているのを見ると、

なんだか変な気持ちになる。


.


貴方「く、黒子くんはいじわるだ…」


黒子「はい、そうかもしれませんね」


にこ、と笑顔を向けると、

目を丸くして驚いた顔をする。


貴方「と、とりあえず、さっきはごめんなさい」


少し頭を下げて謝って顔を上げた。


その顔は笑顔だった。


貴方「黒子くんは優しいね」


黒子「そうですか？」


貴方「そうだよ」


.


たぶん、これが、


.


僕がAさんに恋した瞬間。

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