イイタイコトガアル。2 【ダイヤのA】

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【御幸side】



Aと佐久間さんが病室を出て、俺は洸さんと2人きり。


ベットの上に座る洸さんは暫く無言のまま、窓から外を眺めてる。



「御幸くん、」

ふと名前を呼ばれて見れば柔らかい表情でこちらを見る。


「Aから俺とAの関係、聞いてる？」

『…えっと、』


それはAがずっとこの人に片想いしてたって話のことだろうか。



「その反応、曖昧には聞いてるみたいだね。」


窓から差し込む光が洸さんの顔を照らす。


「俺と彼女はね、高二の時に初めて話したんだけど、でも俺はあいつのこと高一の時から知っててさ。

それはやんちゃしてたから有名だったってのもあったけど、1番の理由は俺が一目惚れしたってやつで。」


思い出に浸るように洸さんは語る。


「高校の入学式でね、たまたま俺の制服についてた糸くずを取ってくれたんだけどさ、その時にブワッて心が震えるっていうか、まあそんな感じで。
その日からずっと目で追ってた。

でもあいつと俺のいる世界って全然違くて、彼女の周りにはいつも派手な人が多かったし、俺の周りは俺みたいなやつばっかでさ。

全くと言っていいほど接点はなかったんだ。」



「だけどある日俺がこんな見た目で弱そうだからカツアゲにあってさ、どうしていいかわかんなくてされるがままになってた時にね、彼女が現れた。

彼女有名だったし、ただの噂だけど悪い奴らとつるんでるって言われてたから俺をカツアゲしてた奴らは一目散に逃げてってね。

Aはそれ見たらそのまま帰って行っちゃった。」


その頃を思い出したのか洸さんは楽しそうに笑っている。

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