死神の師匠が来た (ページ24)

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庇った死神の願いページ24

くそっ！予定がずれた……！！
上級班と行き道がはぐれた。
私は、重度の傷を人間に負わされた。
何故、こんなことになったのか。
理由は、考えなくても目の前だ。
人間同士の戦が起こったのだ。
こんなこと予定にはなく、いつものように魂を狩って、帰界するつもりだったのだ。
このままでは、己が命も無駄にする。
とりあえず、人気(ひとけ)のない裏路地に逃げ込んだ。
生憎、私は傷薬を持ち合わせていない。
自分の黒フードを引き千切り、本当に軽くだが手当てをした。
その時、幼い子供の泣き声がした。
そして、何人かの嘲笑う大人の声も。
あまり、関わりたくはない。
が、そう思ったその直後。
救わざるを得ない状況を目にした。
「おい小僧！！ゴチャゴチャ言ってねぇでさっさと付いて来あがれ！」
そういいながら、一人の男が鉄パイプのようなものを少年に打ち付けようとした。
私の体は、言うまでもなく動いていた。
「なっ……てめぇは誰だぁ？ひょっとして、こいつの＿＿」
ｸﾞｼｬ＿＿肉の落ちる音がした。
「あ"ぅ……ぁ？」
回りの目の色が一瞬にして変わる。
無駄なことをした。
今の私じゃ人間も危ういのにな。
力一杯血の鎌を振るう。
終わった頃には、少年は震えていた。
だが、そんなことはどうでもよかった。
「行くぞ。ここにいたらどのみちバレる。救ったんだ。生き延びるためと思って私に付いて来い」
そう言って、少年の細い腕を掴んだ。
ある程度、腐敗した家を見つけた。
「ここで、一晩過ごす。いいな？」
少年は、コクっと頷く。
「そう言えば、名前は？」
私は、この家に入った時に言った。
が、寝る前の今まで少年は口にしなかった。
「零夜。僕の名前は零夜だ……」

少年の声は、とても冷めていた。