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ピピピと音頭のようにリズミカルに目覚ましが鳴ると、現実にゆっくりと戻され、さっきまで夜だったのにと呟くと、また夜は来るだろうと返しが来たように感じた。









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「うわ、二人とも起きてる(笑) おはよう」









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コーヒーカップを片手に新聞を読みながら、おはよーとこちらも見らず言って来る同居人の信ちゃんと、萌え袖でマグカップを両手で持ってふぅーふぅーを何度もしながら、おはようも言わない居候のすば。朝にこの三人が揃うことは滅多にない。









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「…A、ノーブラやん。触ってええ?」









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「あかんわ、」笑いながら、頭を叩く信ちゃん。今日も八重歯が光ってる。









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「もう、明日の朝も早起きしたら触っていいよ?(笑)あ、ごめん。今日帰って来ないんだった。」









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そういうと、信ちゃんがこっちを見て、口を開いた。いつものあの笑顔じゃない、真顔で八重歯が光る口を開いた。









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「もうええんちゃう?お前も十分恩返ししたやろ。なのになんでまだ行くんや?」









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「恩返しなんて全然出来てないよ、あの人にも信ちゃんにも。だから、行くんだよ。」









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信ちゃんには一度も話したことはない、でも信ちゃんはずーっと前から知ってた。相手が信ちゃんだからか、どこで気付いたの?とはならなかった。あーバレたかと、普通に受け止めた。それ以来信ちゃんは見張るようになったり、行く日にはこんな風に話しかけてきた。









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「…Aは、好きなん?その人の事。俺は何の話してるか知らんけど、好きなん?」









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すばのあの目と好きという言葉に反応して、私は何も言えなくなった。口が瞬間接着剤で固定されてるかの様に、違うと言おうと思っても開きやしなかった。

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作者名:みーとぼーる | 作成日時:2016年10月13日 3時

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