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「そう、僕にはそれが普通。友達として接してくれるAはほんまかけがえのない人やもん。
どうせって、まあそのどうせやねんけど…もうもう一回は面倒いから、他では話す。次プリクラ行こ!」
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きっとこれまで色んな傷を負って来たんだろうなと言いたくなるくらいの顔をしても、すぐにいつもの笑顔を見せて、席を立つ章ちゃん。
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「A、何財布出してんの、閉まってや!ここは僕が出すから、ええよ。また明日から友達してくれたらええから。」
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「あのね、私お金で友達やってないから(笑)それに私大きい一万円札しかないから、はい。これでお願いします。」
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「なんやねん、もう!Aが男やったら惚れてる(笑)」
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お店を出た後、レシートを見て割り勘にしようと何度も言ってくる章ちゃんを横に連れて、もう夕方になって並んでいた頃よりも十分寒くなった原宿を歩く。
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「もう2人じゃ割り切れないんだし、さっさと奢られてなさい(笑)それにね、友達になってくれてよかったと思ってるのは章ちゃんだけじゃないよ。私だって章ちゃんと友達になれてよかった……さ、早くプリクラ撮ろ!」
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章ちゃんの腕を掴んで引っ張って、竹下通りのプリクラ専門店に入ると、中はJKだらけで賑やかだった。さっきまで引っ張られてた章ちゃんが、このプリがいいと並び始めた。
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「また並ぶの?」「盛れる方がいいやん。」
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ちらっと見た章ちゃんの目は充血してて、頬には泣いた跡があった。章ちゃんの傷が少しでも癒えたらいいなと思った。
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作者名:みーとぼーる | 作成日時:2016年10月13日 3時